子ども建築塾2021年度 後期 第1回『百人島』課題レクチャー

2021年12月02日

11月13日(土)に行われた、後期第1回授業の様子をお伝えします。
前期の発表会が終わってから3週間。子どもたちが期待に胸を膨らませながらやってきました。

スタジオに入ると、何やら大きな地図のようなものが…。
これが、これからみんなでつくる「百人島」の敷地です!

まずは太田先生から、課題についてのレクチャーがありました。
「百人島」は、その名のとおり100人が暮らす島で、大きな湖に浮かんでいます。
島をぐるっと一周できる道「リング」の両側に建物が並び、外側にはたくさんの桟橋、真ん中には大きな広場があります。

この島で、人々はどのように暮らすのでしょうか。
100人で生活するために、それぞれの家族が色々な「なりわい(仕事)」を持っています。
100人しかいないので、その仕事の様子も、普段のまちとは違ったものになるでしょう。

先生と一緒に計算してみると…、
100人が1ヶ月に1回髪を切ると、床屋さんに来るのは1日3人くらい。
1歳から100歳まで1人ずついるとしたら、小・中学生は合わせて9人。
結婚式やお葬式は、なんと1〜2年に1回!

アストリッド先生がおっしゃっていたように、1つの決まった仕事だけではなく、色々な仕事を組み合わせたり、仕事以外の時間も考えたりすることが重要になりそうです。

レクチャーの後は、敷地模型をみんなで囲みます。
改めて、その大きさにびっくり!
でも、実際のサイズは、伊東建築塾とガーデンプレイスの間にすっぽり収まってしまうくらい。
端から端まで歩いて移動できる、とても小さい島だとわかります。

暮らしや大きさについてイメージが湧いてきたところで、実際にどんな「なりわい」が必要か、グループで考えていきます。
前期とグループが変わったこともあり最初は控えめだった子どもたちですが、まずはとにかくアイデアを出しまくることが大切!
TAも一緒になって思いついたものをどんどん書いていき、なくては困るものから楽しい施設まで、たくさんのアイデアが集まりました。

今度は、それらを17~21個(子どもたちの人数=敷地の数)の「なりわい」に絞っていきます。
しかし、なくては困る仕事をそろえるだけでは、楽しいまちにはなりません。
そこで重要になるのが、複数の仕事を組み合わせること。
みんなで相談しながら、一緒にできそうな仕事をくっつけたり、楽しくなっちゃう意外な組み合わせを考えたり…。
「なりわい」が決まったあとは、好きなものを選んでスケッチをしました。
どんなカタチがいいかな?湖や道路、広場との関係はどうしよう?
つくりたいまちへの想像が膨らんでいきます。

伊東先生からは、大三島でのご経験をもとに、「島の中だけで完結しようとしてもうまくいかない。島の外についても考えることが大切。商売をするには島の外からのお客さんも必要だし、逆にきれいな船に乗って島の外でお葬式をしたっていい」というアドバイスをいただきました。

次の授業では、今回みんなが出したアイデアをもとに、一人ひとりの「なりわい」と敷地を決定します!
仕事と生活から、周りの家族や島の外のことまで…
考えることはたくさんありますが、みんなで素敵な島がつくれるよう、頑張っていきましょう!

東京工業大学 2年 平上侑里