子ども建築塾 第1回TAクラブ

2016年07月13日

2011年からスタートした子ども建築塾は、今年6年目を迎えました。2013年度以降は年に1度、卒塾生のための「子ども建築クラブ」というワークショップを開催しています。卒塾後の子どもたちが中学生、高校生に成長して活躍している様子をのぞく機会になり、いつも学びの場としての伊東建築塾の意義を考えさせられます。

IMG_4860

子ども建築塾で協力していただいているTA(ティーチング・アシスタント)は、建築を勉強している大学生が中心となっています。普段の授業では、子どもたちのスケッチや模型づくり、プレゼンボード等の制作を見守るために、一人の子どもに対して一人のTAがそばにいて、子どもの様子を見ています。

最近は3年、4年もと継続して参加するTAが増えていますが、彼らは普段、大学でどのような設計課題やプロジェクトに取り組んでいるのか、意外にもお互い知る機会がありませんでした。異なる大学で学ぶTA同士のつながりが深まれば、子ども建築塾に参加するモチベーションも高まると考え、今回はTA向けの学びの場として、「TAクラブ」という交流会を開催する運びとなりました。

IMG_4867

当日は7人の現役のTAと元スタッフから、大学・大学院での卒業制作や課題作品、コンペの提出作品をプレゼンしてもらいました。ゲストには、子ども建築塾でお馴染みのアストリッド先生と2014年度まで講師を務めてくださった太田浩史先生をお迎えし、参加者と一緒に気軽にディスカッションができる場を設けました。

IMG_4855

前半のプレゼンでは、現役大学院生のTAから、神山町や福島、鎌倉といった地域に特定した建物の設計・改修案など、卒業制作や大学院で取り組んでいるプロジェクトをプレゼンしていただきました。後半は社会人の新旧スタッフがプレゼンターとなり、インテリアの改修からまちづくりにつなげる試み、ペットボトルを活用したホームレスのための仮設建築の設計など、建築と言っても多岐にわたるプロジェクトに取り組んでいる姿を見せてくれました。

IMG_4845

当日の開催時間は2時間程度を予定していましたが、思った以上にゲストと参加者の間にディスカッションが盛り上がり、気づけば3時間近く経っていました。

IMG_4884

最後の総評では、アストリッド先生からは「もっと夢のある提案をしましょう」と励ましの言葉をいただき、太田先生からは「土間や地域といった、昔から日本にある要素を取り入れているプロジェクトが多い。歌に例えるなら、唱歌のよう。もっとロックやパンクのような、時代を変えていく新しさを生み出してほしい」と熱く語っていただきました。

これからも子ども建築塾の第二の学びの場として、「TAクラブ」を継続して開催できたらと思います。

ジョイス・ラム