子ども建築塾 前期第10回「自分の好きな素材でいえをつくろう!」発表会

2016年11月18日

みなさま、こんにちは。ちょっとだけ肌寒くなってきた9月24日に、子ども建築塾前期の発表会が行われました。

前期のテーマは「自分の好きな素材でいえをつくろう!」でした。子どもたちは朝からみんなドキドキの表情です。TAもドキドキです。

手をたくさん動かして発見した素材のおもしろさを、子どもたちはどんなふうに発表してくれるのでしょうか。聞いているみんなに分かってもらえるかな。失敗したこともちゃんと言えるかな。なんだかいつもよりスタジオがそわそわしています。

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そんなことを考えていると、すぐにAグループから発表が始まりました。

Aグループ
トップバッターは凛音ちゃん。柔らかいスチレンペーパーを、小さく切って一つひとつ折り曲げて、模型をつくりました。全部集まったことで全体が綺麗な花のようなかたちをしています。中もふわふわしていて、とっても気持ち良さそうです。

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響くんは、毛糸を使って「森のマユツリーハウス」をつくりました。どこにでも移動できるカイコのような、家族で住むいえです。制作しているときになかなか上手くいかず試行錯誤したこともみんなに伝えることができて、発表の仕方が良かったと先生方から褒められていました。

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生活で身近な果物用の網を使って、「あみあみアスレチック」をつくったのは睦歩くん。中の空間を歩いたら、そこにはどんな影ができるのだろう?考えるだけでわくわくします。

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真悠ちゃんは、片面に凹凸の入ったリップルボードという厚みのある紙を使って、「wave ハウス」をつくりました。うねっているところの上に登ることもできれば、下にもぐることもできます。何か生きものみたいで今にも動き出しそうです。

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Bグループ
勇太くんは、「空中移動できるいえ」をつくりました。毎日動くことが楽しくなりそうです。家族と友達が一緒に大勢で楽しく暮らします。

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広太郎くんは、石と竹ひごを使って「ロックドーム」をつくりました。重いはずの石が軽やかに宙に浮いています。伊東先生から「アーチ」のことについて教えてもらい、目が釘付けになっていました。

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毛糸を編んで、「やさしい春の海」をつくったのは那奈ちゃん。毛糸を編むことで、タイトルの「やさしい」という言葉どおりのおおらかな場ができています。

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かりんちゃんは、カラフルな風船と針金を使って「ホウズキ休憩所」をつくりました。カラフルな風船に囲まれてハッピーになりそうです。具体的な場所のイメージができていて良いと先生方に褒められました。

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Cグループ
士惟くんは、段ボールをずらして積んだ「裏山に住むいえ」をつくりました。どこからでも登れるようになっていて、自然と登りたくなるようなかたちをしています。

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瑛理香ちゃんは段ボールと針金で自由にかたちを変えることができる「折り曲げマイホーム」をつくりました。そのときの気分でかたちを変えることができて魅力的です。

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アルミホイルで「ピカピカ反射するいえ」をつくったのは慧生くん。周りに対して反射することで色が変化するところもおもしろく、ステンレスに比べてアルミホイルは弱いからこそおもしろさがあると伊東先生からコメントをいただきました。

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瑠花ちゃんはスポンジで海に浮かぶ「ふわふわハウス」をつくりました。スポンジの無数の穴を通る風が気持ち良いいえになりそうです。

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Dグループ
琉月ちゃんはストローと切り込みの入った薄い紙を使って、「大きなアミアミハンモック」をつくりました。ぐねぐねしていて中に入ったらどんな空間が広がっているのか気になります。

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涼太くんは紙コップを使って、カラフルスノーハウスをつくりました。白い空間の中に丸や三角、四角の窓があいていて、中にはカラフルで色々なかたちの光が溢れ、毎日の生活が楽しくなりそうです。

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ストローと糸を使って「星のいえ」をつくったのは一喜くん。こちらもカラフルでハッピーな気分になります。硬い素材と柔らかい素材を一緒に使うことに苦戦していましたが、先生方から構造のアドバイスをいただきました。

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ミアンちゃんは梱包材に針金を使って「カワふわ」をつくりました。屋根、壁、テーブルが一枚でつながっています。色々なかたちの窓がたくさん開いていて、大きな空間の中にもさまざまな場ができています。

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Eグループ
悠祐太くんは金属網を使って「影のおどる空間」をつくりました。自分の気持ちに合わせて場所を選んで生活することを考えています。ぐにゃぐにゃしたかたちの参考として、伊東先生からフランク・ゲーリーの建築を教えてもらいました。

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優奈ちゃんはカラー段ボールとすだれを使って、「うねうねアスレチック」をつくりました。伊東先生からは、色の使い方が上手だと褒められていました。

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つまようじを使って「スカスカ城」をつくったのは、こはるちゃん。たくさんのつまようじが並んでいて風通しが良さそうです。伊東先生からは東南アジアみなたいだねとコメントをいただきました。

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隼太郎くんは「チーズドーム」をつくりました。使った素材は建築模型の材料でも使われているスタイロフォームです。薄く切ったスタイロフォームには無数の穴が開いていて、柔らかでとっても優しい空間ができています。

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以上子どもたちの発表は終わり、最後に先生たちから総評をいただきました。

伊東塾長からは「感覚的なことをしっかりと自分の言葉で言語化できているところがとっても良かった。頭で考えているのではなく、身体を使って考えることが大切で、素晴らしい発表でした」というコメントをいただきました。

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アストリッド先生は「自分のいる環境をどういうふうに感じるかが大切。四角い形の建物ではなく、どうおもしろく生活できるかを今後も大切に考えてほしい」と話してくださいました。

柴田先生は「期待以上の出来でした。今回の授業ではは一つの素材に絞って辛そうなときもあったけど、結果的に豊かな空間になったと思います。」と述べられました。

小森先生は「今回の発表を聞いて、授業中に必死になって、色々なスタディをしたのを思い出しました。今後も手を動かして考えることを大切にしてほしいです。」とおっしゃっていました。

田口先生は「試行錯誤していく中で、自分しか知らないことや気づけたことをみんなに発表することができて、とっても良い発表会でした。」との感想をお話しくださいました。

以上で3間を超える発表が終わりました。ドキドキの発表会を終え、最後は楽しいお楽しみ会の時間です。みんな発表でお腹が減ったのか、すぐにお菓子に食いついていました。(笑)

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さて、後期の子ども建築塾は、視野を広げて「まち」の課題に取り組みます。前期では実際に素材を手にとって試行錯誤しながら考えてきたので、その経験を大切にして、まちと自分の距離を縮めてほしいと思います。

工学院大学大学院修士課程1年 関野雄介