子ども建築塾 大三島合宿1日目

2017年05月10日

みなさま、こんにちは。子ども建築塾TAの塩田です。
3月19、20日に大三島で行われた子ども建築塾大三島合宿の様子をお伝えします。

集合場所の福山駅からみんなでバスに乗って大三島に向かいました。ここからいよいよ合宿のスタートです!1日目は、ミュージアムの見学、竹の伐採、レクチャーと続いていきます。まずは大三島みんなの家で昼食を食べ元気をチャージし、その後はミュージアムに向かいました。

最初に訪れたのは、今治市伊東豊雄建築ミュージアム。このミュージアムには「シルバーハット」「スティールハット」の2つの建物があります。

シルバーハットは、伊東先生が以前東京で住んでいた自宅を再現したという話を聞いて子どもたちがワクワクしていました。伊東先生がお気に入りだった椅子に座ったりと空間を楽しんでいました。

スティールハットは幾何学的なかたちが印象的で、中に入ると壁が斜めに立っているのが特徴です。そこでは、展示内容だけでなく、伊東先生が考えられた建物や空間を実際に体験している様子が多く見られました。

続いて、今治市岩田健母と子のミュージアムを見学しました。円形で半屋外のミュージアムなので、子どもたちは青空の下で自然と走り始めていました。また、ここで展示されている彫刻は実際に触ることができたので、作品に直接触れるという新しい楽しみ方がありました。

2つのミュージアムを見学した後は、翌日のワークショップで使う竹の伐採作業です。

今回のワークショップの講師である構造エンジニアの金田充弘先生から「まずは竹を伐採して、加工の練習としてコップをつくってみよう!」とお話があり、竹を切ったらコップができることにピンとこなかった子どもたちは実際に切ってみることになりました。

竹林の中で自分たちが伐採する竹を選ぶところから始まります。子どもたちの身長の何倍にも長い竹をノコギリを使って伐採しました。実際に竹を伐採してみると中は空洞で節があることが分かり、節に合わせて切ることでそれぞれ自分だけの竹のコップを切り出すことができました。

さらに、伐採した竹の長さを加工しやすいようにして四つ割にしていきました。竹は硬いというイメージがありますが、繊維が一定に並んでいる縦の方向には割れやすいという特徴があります。その特徴を利用して四つ割にしていくと少ない力で割っていくことができました。1年間の子ども建築塾の授業でつくってきた模型とは違い、実際に人が入る大きさのものをつくることで、材料の大きさやスケールを体で感じている様子が見られました。

お風呂と夕食を済ませた後、1日目最後の締めとなる金田先生によるショートレクチャーがありました。

「構造ってなんだろう?」と題したレクチャーでは、大きなものを建てる際に構造が大切な役割を果たしていることが分かりました。お話の中では構造とデザインが同時に考えられかたちになっているものとして、伊東先生が設計された建物も多く例に挙げられていました。

子どもたちは今まであまり考えてこなかった構造や建物の建て方について触れることができ新鮮だったのではないでしょうか。

ここまで盛りだくさんだった合宿1日目。自分たちで伐採した竹からどんなものがつくれるのか、子どももTAも楽しみになったところで1日目が終了しました。

2日目は、伐採体験とレクチャーを活かして、いよいよワークショップに取り組みます!

日本女子大学 塩田佳織