子ども建築塾 前期第3回「見学会に行こう!」

2017年05月30日

みなさん、こんにちは。工学院大学大学院修士2年の関野雄介です。

5月13日に行われた前期3回目の授業「見学会に行こう!」についてお伝えします。今年は、建築家の妹島和世さんが設計された「団子坂の家」に住宅見学に行きました。どしゃぶりの雨の中、グループごとに分かれて待ち合わせ場所に集合です。予定の時間が近づいてくると、だんだんと子どもたちが集まってきました。全員集まって、いざ出発です。

待ち合わせ場所から団子坂の家まで、車が通れないほど細い道をいくつもたどります。ようやく家が見えると、たくさんの声が聞こえてきました。「木とガラスの家だ!」「中は、どうなっているんだろ?」「うちの玄関とは違うぞ!」今まで見たことない家を目の前にしてみんな、興味津々です。

前のグループの見学が終わり、30分間の見学時間のスタートです。まず玄関から入ってすぐにあるリビングで、設計した妹島さんから「この家がどんなふうにできたか」を教えてもらい、自由に見学しました。

リビングは、地面と同じレベルのコンクリートでできた床から300mmほどの位置に、大きな木の床が置かれています。本棚があるので、その小さな段差に腰掛けて本を読むことができます。窓は、地面に近いところにあります。そのため隣に住んでいる人の視線は気になりません。また、地面に生えている植物を見ることができるため、植物も一緒に暮らしているみたいです。

リビングにある階段を登ると、子どもの勉強部屋が現れ、さらに階段をのぼるとお風呂場があり、また階段をのぼると寝室がありました。それぞれ天井の高さがだんだんと高くなっていき、とても気持ちの良い空間が連続していきます。「みてみて!」「ここすごい!」「何だこれ!」そんな声が家のあちこちから聞こえてきます。

寝室にある階段をさらにのぼったところにテラスがあります。当日は残念なことに雨でしたが、晴れていればテラスにも出て気持ちよくお昼寝もできそうです。

一通り見学したところで、もう一度リビングに集まって、妹島さんに質問の時間です。「どうして木なんですか?」「模型はどれくらいつくったですか?」「つくるのにどのくらい時間がかかったんですか?」たくさんの質問が飛び交いました。

みんな真剣なまなざしで妹島さんの話に聞き入っていました。最後にまだ少しだけ時間があるということで、もう少し見学の時間。この時間ともなると、みんな自分のお気に入りの場所を見つけてくつろいでいます。

そうこうしている間に帰る時間となり、見学させていただいた家族の方々、妹島さんに今日の御礼を言って、外に出ました。そして行きに通ったたくさんの細い道をとおって、行く時に集合した場所で解散しました。

「団子坂の家」は、家のどこにいても家族の気配が感じられる、素敵な住宅でした。子どもたちは今回の住宅見学で、たくさんの発見があったようです。

今日の見学で感じたこと、考えていたことを前期の課題である「みんなの家」を考えるにあたってのきっかけにしてもらいたいです。そのために、まずは次回の授業で「団子坂の家」には「みんなが一緒にいることを感じられるように、どんな仕掛けがしてあったのか」を一緒におさらいしたいと思います。

工学院大学大学院修士2年 関野雄介