子ども建築塾2018年度 前期第8回 プレゼン模型制作③

2018年11月21日

9月1日、前期第8回の授業は模型制作の3回目の授業でした。
今回が模型をつくる最後の日ということで、TAは少し進度に不安を感じる部分もありましたが、授業後には想像以上に完成度の高いものができました。

今年度の前期の授業は「動物と一緒にくらすいえ」がテーマで、各グループが「ムササビ」「ペンギン」「ラクダ」「カンガルー」「フラミンゴ」と一緒にくらすいえを考えてきました。

今年は最初から「いえ」を考えるのではなく、まず「寝る空間」、「食べる空間」、「遊ぶ空間」をそれぞれ考えました。

私はラクダチームを担当していましたが、人間とラクダの関係が単純にラクダの背中に乗って遠いところまで連れて行ってもらうというような主従関係ではなく、どのように助け合えるか、共存できるかを考えることが難しい課題でした。

なかには「ラクダと一緒にくらしたくないな」という子もいましたが、そんなときはアストリッド先生から「どのくらいまでだったら一緒に過ごせるかな?隣で寝るのは嫌でも、ご飯を食べたりするのは平気かな?」と、一日中動物と一緒にいることを考えるのではなく、一人になりたいとき、人間だけと一緒に過ごしたいとき、動物も一緒に過ごしたいとき…それぞれあるはず、とアドバイスをいただきました。一緒に過ごすなかでも、すぐ隣にいてほしいのか、気配を感じるくらいの距離がいいのか、様々な「一緒」があることが分かりました。動物相手だけではなく、人間に対しても同じことが言えそうですね。

今回は「寝る空間」、「食べる空間」、「遊ぶ空間」をそれぞれ考えてから「いえ」全体を考えるという流れだったため、バラバラの空間をどのように一つのいえにまとめるか頭を悩ませた子が多かったようです。

学生である私も同じことで悩みますが、それぞれの空間にやりたいことがあっても、それらをただ足すだけでは、全体としては良さを打ち消し合ってしまったり、やりたいことがよく分からない空間が生まれてしまいます。

子ども建築塾では毎年、発表会前にキャッチコピーを決めますが、「こんないえをつくりたい」とシンプルに一言で言える目標をつくり、それに向かって俯瞰して全体を見て、たくさん出てきたアイデアの取捨選択をする行為が必要です。せっかく考えたアイデアや模型を使わないというのは勇気が要るはずですが、「ここは良くないからやめる。」と新しいものを考えだし、TAが「今からやり直すの?」焦るほどの子もいます。そんな子は今までのものから一段階ジャンプしたものができあがり、本人も満足気でTAも嬉しくなるのですが、こういったことが数多くあるのは驚きであり、子どもを見習いたいところです。

今回は、いえのなかにどんな家具を置くかなど細かい部分まで考えられた子が多くいて、非常にレベルの高い模型がたくさんできました。次回のプレゼンボード制作の授業では、何を一番に伝えたいのか(キャッチコピー)、どうすれば伝わるかを考えていきましょう。模型写真やスケッチなど、それぞれ得意なものを活かせるように、楽しんで作業に取り組めれば良いなと思います。

東京藝術大学 修士1年 下田彩加