子ども建築塾2019年度 前期第4回「中間発表」

2019年11月17日

子ども建築塾 前期の課題は「空とぶいえ」です。

きっと誰しもが空を飛びたいと思ったことがあるのではないでしょうか。特に子どもたちにとって、そんな空想や、自身で思い描く物語が表現できる面白い課題だと思います。また、氷・砂漠・水・崖・ビルの上という5つの特徴的な環境の中で、空を飛び、人が住める家を考えることは一筋縄ではいかないと思います。難しい課題が故に今回の中間発表会はとても楽しみにしていました。

今回の中間発表会は今年度初めての発表会です。新しく入塾した子どもたちに「どう?緊張してる?発表練習してきた?」と緊張をほぐそうと冗談交じりで聞いてみると、意外とみんな自信満々の様子でした。緊張もしておらず、堂々としていて、少し驚きました。やるなぁ~。

発表が始まると、みんな楽しそうに自分の発表をしてくれました。質疑応答も盛り上がり、有意義な発表の場になったのではないでしょうか。全体の内容としては、難解な環境にどのようにして家を適応させるのかといった課題がどの班にも共通して挙げられていました。その結果、雲やシャボン玉、クラゲのようなふわふわとしたイメージで絵を描いている子どもが多かった印象を受けます。フレキシビリティを求めるが故にかたちがふわふわとしてしまう。どんなかたちにもなれるということの面白さと難しさを実感しました。

僕自身の感想は、特徴的な環境と家であることに引っ張られず、もっと自分が思い描くストーリーを考えてみてほしいと感じました。どんな物語がそこで展開されるのか、その中で氷・砂漠・水・崖・都会の高層ビルの上といった抽象的な環境が具体的になっていくのではないかと思います。崖だったらどんな崖なのか。断崖絶壁なのか、どういった地層をしているのか。水だったら川なのか海なのか滝の下なのかなど。
一般的に建築を設計するときは、敷地となるところをリサーチし、歴史観や地域性などさまざまなことを意識しながら建築を考えていきます。しかし、子ども建築塾では子どもたちが自分自身の考えている世界を広げた結果、建築にその世界が表現されていくことが面白さだと思います。前期の課題はそんな子どもたちの世界観が面白く表現できるものだと思うので、今後の展開をとても楽しみにしております。

日本大学理工学部建築学科4年 須貝仁