大三島ライフスタイル研究所「大三島を自給自足の島にする」

大三島ライフスタイル研究所「より近く、よりゆっくり、より寛容に」瀬戸内海の島・大三島を舞台に、これからのライフスタイルを描き、実現に向けた活動に取り組みます。
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自給自足・地域内循環を目指すための5つの活動

©Ayumi Yoshino

① 農業を支援し、次の世代につなぎます

大三島では高齢化が進み、耕作放棄地が増える一方、近年ではIターン移住して農業を始める若者も少しずつ増えています。大三島の農業の魅力を伝えるため、2018年度は「大三島農業応援団(仮称)」を結成し、加工品やレシピ開発など、農産物の地産地消や販売促進に取り組みます。また、大三島で有機農業を営む「大三島自然農法グループ」のブランディングや広報発信も手がけていきます。島でとれた農作物をより多くの方に味わってもらえるよう支援することで、次の世代に農業をつないでいきます。

©Katsuhiro Aoki

② 大三島憩の家を「地域のよりどころ」にします

2017年度に改修を行い、4月にリニューアルオープン予定の「大三島憩の家」の中庭のランドスケープの整備と、BBQを楽しめる小さな小屋をつくります。自分たちの手でできる作業はセルフビルドで行い、2018年度中の完成を目指します。また、2階に新設された海の見えるラウンジや集会室を、地域の方が集まる場として積極的に活用していきます。農業チームと連携し、島外から訪れる観光客が参加できる農業体験イベントなども企画します。

③ 自然エネルギーを活用し、空き家をモデルハウスとして改修します

大三島は気候温暖で、自然災害もほとんどありません。島の大半を占める森林の間伐材や柑橘の剪定枝を利用したバイオマスによる熱の供給、長い日照時間や年間を通じた強い風力に基づく太陽光・風力などを利用した電力の供給をすれば、自然エネルギーの地産地消が実現できます。また、島内には数百軒の空き家があり、すぐに住める状態の空き家も多く存在します。このような空き家を改修し、太陽光パネルや風力を用いた省エネルギーハウスのモデルをつくることで、島への移住促進を図ります。

©Ayumi Yoshino

©Manami Takahashi

④ 交通を整え、参道を復活させます

大三島にはタクシーが2台しかなく、しまなみ海道の高速バスストップからの路面バスの発着も少ないため、島を訪れる人の交通手段は、マイカーや自転車に限られます。また広島方面からのフェリーは島の北端に位置する盛港に着きますが、そこから路面バスの運行もありません。ヤマハ発動機が開発した電動モビリティ「06GEN」が島内で走行できるようになれば、観光客や高齢者の新たな移動手段となります。

また、大山祇神社への参拝は、しまなみ海道開通以前は宮浦港から参道を通って行われていましたが、宮浦港のフェリー発着が廃止されて以降、参道の人通りが減り、旅館や商店は徐々に衰退していきました。フェリーが再び宮浦港を発着するようになれば、参道のにぎわい復活につながります。

さらに、参道を明るい花で彩ることで、観光客や住民が歩きたくなるような魅力的な道にしようと考え、2017年には大三島みんなの家の前庭をはじめ参道の一部を、地域住民と一緒に黄色い花で彩りました。今年はさらに参道全体に花道を広げていきます。

⑤ 島の高校生と一緒に「地域の未来をデザイン」します

2014年から活動を始めた、今治北高校大三島分校の生徒たちがデザインを学ぶ「島デザイン部」。これまで、島内の交流施設で使われる家具づくりや空き家の改修、観光客向けのガイドブック製作など、地域の活性化に貢献してきました。一方で、ここ数年は生徒数の減少により、高校の存続が危ぶまれています。島の未来のために高校が存続できるよう、高校や地域住民と一丸となって、島の魅力発信の活動に取り組んでいきます。

大三島ってどんな島?

大三島は、現在およそ6,000人が暮らす、愛媛県最北端の島です。住民は島の沿岸部に点在する13の集落に分かれて住んでいます。海と山の間のわずかな平地に寄り添うように住む人びとの結束は強く、それぞれの集落には昔から伝わる伝統的なお祭りが今でも継承されています。

大山祇神社と参道

©Manami Takahashi

大山祇神社と参道

島の中心部には「日本総鎮守」と呼ばれ、古くから多くの信仰を集めてきた大山祇(おおやまづみ)神社が鎮座し、歴史ある「神の島」としても知られます。神社の境内には樹齢2,600年と言われる立派な楠が祀られ、周囲には原生林が立ち並びます。港から神社へと至るその参道も、昔の面影を残していますが、しまなみ海道開通後は人通りが絶え、空き家や空き地が目立つようになりました。

産業と暮らし

©Yusuke Nishibe

産業と暮らし

温暖な気候に恵まれ、みかんをはじめとした柑橘農業がさかんです。無農薬・有機栽培にこだわるIターン移住の農家さんも多く、栽培されている柑橘は実に30品種以上。秋から春にかけては色鮮やかな果実が景色を彩ります。みかんの花から採れるみかん蜂蜜も、特産品のひとつです。

風景

©Yusuke Nishibe

風景

大小の島々に囲まれ、瀬戸内らしい多島美のパノラマが広がります。しまなみ海道はサイクリストのメッカとして有名で、この景色を求めて世界中から集まるサイクリストが年々増加しています。特に夕陽の沈む時間の美しさは格別で、悠久の時間が流れているように感じられます。

塾長

伊東豊雄

伊東豊雄(いとう・とよお)
建築家

1941年生まれ。1965年東京大学工学部建築学科卒業。主な作品に「せんだいメディアテーク」「みんなの森 ぎふメディアコスモス」「台中国立歌劇院」など。ヴェネツィア・ビエンナーレ「金獅子賞」、プリツカー建築賞など受賞。

アドバイザー

柳澤 潤

柳澤 潤(やなぎさわ・じゅん)
建築家

1964年東京生まれ。1992年東京工業大学大学院修士課程修了、伊東豊雄建築設計事務所入所。2000年コンテンポラリーズを設立。日本建築学会作品選奨、日本建築士会連合会優秀賞など受賞。東京工業大学人間環境システム専攻連携准教授。関東学院大学建築・環境学部准教授。

金田充弘

金田充弘(かなだ・みつひろ)
構造エンジニア

1970年東京生まれ。カリフォルニア大学バークレー校で建築デザインと構造エンジニアリングを学ぶ。大学院修了後、エンジニアリング・コンサルティング事務所Arupに所属し、ロンドンと東京で設計活動を開始。第12回松井源吾賞など受賞。東京藝術大学准教授。

藤江和子

©Nacasa&Partners

藤江和子(ふじえ・かずこ)
家具デザイナー

藤江和子アトリエ代表。建築家とのコラボレーションを通して建築と人と家具の新しいあり様を提案している。近年は伊東豊雄建築設計事務所との協働プロジェクト多数。主な作品に「多摩美術大学図書館(八王子キャンパス)」、「台中国立歌劇院」。多摩美術大学客員教授。

藤森泰司

藤森泰司(ふじもり・たいじ)
家具デザイナー

1967年生まれ。1999年藤森泰司アトリエ設立。家具デザインを中心に、建築家とのコラボレーションや空間デザインも多数。ハイブランドの製品から、オフィス家具や小中学校の学童家具まで幅広く手がけ、スケールや領域を超えた家具デザインの新しい在り方を目指して活動している。

山﨑誠子

山﨑誠子(やまざき・まさこ)
ランドスケープデザイナー

1961年東京生まれ。武蔵工業大学(現・東京都市大学)工学部建築学科卒業後、東京農業大学造園学科聴講生として2年間在籍。1992年有限会GAヤマザキ設立。著書に「世界で一番やさしい住宅用植栽」、「山崎流自然から学ぶ庭づくり」など。日本大学短期大学部准教授。

プロジェクトメンバー

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吉岡寛之
(よしおか・ひろゆき)
建築家

1976年東京生まれ。日本大学大学院修士課程修了後、みかんぐみに6年間勤め、主にアート・公共関係の仕事のチーフを担う。その後、大学時代の恩師・高宮眞介氏に再び師事し、計画・設計工房を経て、2011年独立。2014年より神奈川大学建築学科助教。

高野洋平

高野洋平
(たかの・ようへい)
建築家

1979年名古屋市生まれ。2003年千葉大学大学院修了。佐藤総合計画を経て、2013年より森田祥子とMARU。architectureを共同主催。2016年千葉大学大学院工学研究科博士後期課程修了(工学博士)。大三島で設計した宿泊施設「海soraアネックス」が2016年に完成。

近藤奈々子

近藤奈々子
(こんどう・ななこ)
建築家

1983年東京生まれ。武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科卒業。2006年より伊東豊雄建築設計事務所にて家具、プロダクト、建築に携わる。2009年「今治市岩田健母と子のミュージアム」の担当として初めて大三島を訪れ、自然や暮らし方に魅了される。

丸山智也

丸山智也
(まるやま・ともや)
グラフィックデザイナー

1979年山梨県甲府市生まれ。1998年名古屋市立大学芸術工学部入学。2004年廣村デザイン事務所入社。2012年MARUYAMA DESIGNを設立し、2018年に法人化。2014年から伊東豊雄建築ミュージアムの展覧会のグラフィックデザインを手がける。

青木勝洋

青木勝洋(あおき・かつひろ)
写真家

1981年福島県いわき市生まれ。武蔵野美術大学空間デザイン学科卒業。建築、インテリアを中心に写真制作を行う。2017年よりプロジェクトメンバーとなり、伊東豊雄建築ミュージアムの展覧会の会場写真やイベントの撮影を担当。

石井 海

石井 海 (いしい・かい)
デザイナー

1980年兵庫県神戸市生まれ。1999年筑波大学芸術専門学群生産デザインコース入学。2003年株式会社GKダイナミックス入社。2006年YAMAHAMOTORASIANCENTERCo.,LTDに出向。2013年EMPTINESSを設立。

越智建太

越智建太 (おち・けんた)
雑誌編集者

1978年大三島生まれ。帰省の度に島で生きていきたいとの思いが強くなり、近い将来のUターンを決意。島で育ち、現在は島を外から見ている者だからこそ感じられる島の魅力を発信し、島と都会をつなぐことを仕事にするべく奮闘中。

木平岳彦

木平岳彦 (きひら・たけひこ)
建築家

1972年東京都生まれ。設計事務所での建築設計・施工監理を経て、2004年木平岳彦建築事務所設立。2014年より伊東建築塾に参加し、大三島みんなの家や大三島憩の家の改修設計を手がける。

ジョイス・ラム

ジョイス・ラム

1989年香港生まれ。ロンドン大学東洋アフリカ研究学院日本語・経済学科卒業。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。2015年に伊東建築塾に入塾し、2016-2018年にスタッフとして企画・広報を担当。

善養寺圭吾

善養寺圭吾 (ぜんようじ・けいご)
一級建築士

1957年群馬県生まれ。千葉大学工学部建築学科卒業。新宿区役所勤務後、92年栃木県に移住。2003年ZEN住まい工房設立。住宅の設計施工や高齢者の住宅改善に取り組む。還暦後は大三島へ移住し、地域に溶け込んでいきたいと考えている。

中野浩介

中野浩介(なかの・こうすけ)
コンサルタント

中野裕子

中野裕子(なかの・ゆうこ)
デザイナー

ともに1971年生まれ、神奈川県藤沢市で育つ。趣味は旅。妻はデザイナーとして、日本を代表するキャラクターのデザイン業務に従事。夫はコンサルタントとして地域振興や産業活性化等を手掛ける。将来的には夫婦のスキルを併せ、「デザイン×コンサル×チイキ」事業で地域に貢献することを目指す。2016年から伊東建築塾に参加し、伯方塩業「GOENプロジェクト」など、大三島のブランディングに取り組む。

伊東豊雄建築設計事務所

東 建男

東 建男(ひがし・たけお)

1958年千葉県生まれ。1985年早稲田大学大学院修了。1985年より伊東豊雄建築設計事務所に入所し、「せんだいメディアテーク」、「みんなの森ぎふメディアコスモス」、「台中国家歌劇院」などを担当。

古林豊彦

古林豊彦(こばやし・とよひこ)

1964年兵庫県生まれ。1988年京都大学工学部建築学科卒業。1990年京都大学工学部建築学科大学院修了。1990年より伊東豊雄建築設計事務所に入所し、「せんだいメディアテーク」、「高雄スタジアム」などを担当。

伊東建築塾

古川きくみ

©Shuhei Miyahata

古川きくみ(ふるかわ・きくみ)

1984年愛知県生まれ。2009年京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程(環境デザイン)修了。2010年NPO法人アートアンドアーキテクトフェスタを設立。2012年より伊東建築塾事務局長。

山口絵莉一

山口絵莉一(やまぐち・えりい)

1988年東京都生まれ。京都造形芸術大学環境デザイン学科卒業。2011年辻村久信デザイン事務所+株式会社ムーンバランス入社。2014年子ども建築塾TAを経てスタッフとなり、大三島では「島デザイン部」などを担当。

庄司利佳

庄司利佳(しょうじ・りか)

1993年茨城県生まれ。神奈川大学曽我部・吉岡研究室の活動で大三島に出会う。瀬戸の「象の鼻休憩所」の制作、旧薬舗の改修、小規模作業所「さざなみ園(3373Cafe)」の改修に関わる。2018年より伊東建築塾スタッフ。

プロジェクトメンバーを募集します!

募集対象

将来、大三島への移住を考えている方
農業や空き家の改修など、地域での活動に興味がある方
※年齢やご職業は問いません

募集人数

若干名
※ご応募いただいた全員の方を対象に、面接による選考を行わせていただきます。

受講料

無料
※ただし、プロジェクトに意欲的かつ真剣に取り組んでくださる方に限ります。

募集締切

3月18日(日)

選考日

3月24日(土)※時間帯はお申し込みいただいた方に個別にお知らせいたします。

申込方法

ウェブサイトからお申し込みください。
http://itojuku.or.jp/course/b/form/

過去の講座の様子

大三島ライフスタイル研究所は過去の「塾生講座」の活動を発展させたプロジェクトです。2017年度から改称した「大三島ライフスタイル研究所」の活動やこれまでの塾生講座で取り組んできた内容はこちらのブログよりご覧いただけます。

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