子ども建築塾 後期第5回「中間発表をしよう!」
みなさま、こんにちは。子ども建築塾TAの山口絵莉一です。
2015年12月12日、子ども建築塾後期第5回目の授業を行いました。早いもので後期授業もいよいよ中間発表の日を迎えました!
スタジオに入ってきた子どもたちは敷地模型の周りに集まり、TAのお兄さん、お姉さんと発表内容についてよく話し合いました。発表会のスケジュールの説明が終わると、いよいよ発表会のスタートです!
はじめに、TAが担当グループの敷地の特徴、グループ全体の大まかなコンセプトを説明し、それから、子どもたちが自分の考えを話していくという発表の流れになります。
Eグループ
他のグループに比べて高い建物が少なく、民家が多くて広い敷地が特徴のEグループは「空中」がテーマになっています。
既存の建物を上手に生かし、その屋上に橋やロープウェイ、空中でキャンプができるようにガラスのドームが設置してあり、楽しそうな様子が模型からも伝わってきます。
先生からは、総合的な考えが面白く、模型もカラフルで楽しい!という感想を述べられました。既存の建築も壊して考えていいから、建築にももっと手を加えてほしいという意見がありました。そして、空中に世界が広がって面白いが、一方で川に触ってみたり近づいてみたり、川との関係性を深めていくともっと良くなるとのアドバイスをいただきました。
Dグループ
次に、企業のビルや社宅、マンションなど、高い建物が多いという特徴を持つ敷地を担当するDグループの発表に移りました。Eグループとは反対に、今ある建物は一旦ないものとし、一から計画を進めます。
敷地中央に人が集まるシンボルタワーを川の上に建て、タワーへ続く道を十字に通します。十字の道の周りには四季を彩る木々が植えられており、川の上はガラス張りになっていて、走り回ることができます。
先生からは、建物を壊して新しいものをつくるのは、前の建物よりも良いものをつくらないといけないのが難しいところ、という率直な感想をいただきました。さらに、元々あるものにも近寄る案も考えると、もっと良くなるとのご意見もいただきました。
Cグループ
川に浮いている「音の美術館」や川の下を潜り反対側へ行ける「滑り台」、ボートの「児童館」、川の音を感じながらご飯が食べられる「リラックス空間」など「川に近い」案を出してくれたのがCグループです。
先生からも「川に浮かんでいる」点や、「川の断面」を考えているところがとても良いと感想をいただきました。子ども同士の案が関係性を持つことや、川方向の断面を描いてみて、まちがどのように広がっているのかを考えるとより良くなるとアドバイスをいただきました。
Bグループ
タコ公園が目印のBグループは、タコ公園を活かしながら博物館や美術館など、文化的な施設と新しい川を設け、魚釣りで釣った魚をその場で食べるなど、魚に関係するアクティビティを提案してくれました。
先生からは、既存の建物を川が映るようにかたちを変更させたところ、新しい川と既存の川から、また他の建物もかたちが変わっていきそうで面白い!と感想をいただきました。反対に、わざわざもう一つの川をつくらなくても、今の川を太陽や植物、砂利といった自然の力を借りてきれいにして、そのまま使うことで川と建物の関係性が深くなることを教えてくださいました。
Aグループ
展望台やレストランが入った複合施設。店舗、コンビニ、フリースペースが連なる商店街のような空間。川の水をそのまま使用したプールに、川の上の遊歩道など、Aグループは川と平行に生活を豊かにしてくれそうな提案を発表しました。
先生たちは川を無理にいじらず、「平行」に空間が考えられているところを評価してくださいました。自然に逆らわず、川が溢れたとしても大丈夫という考えのまま進めてほしい、というコメントをいただきました。また、船で移動するなど、川とみんなの案がつながるような提案があると、さらに良くなるとのご意見もいただきました。
総評では、「縮尺を大きくして考える」「川と建物を断面で考える」という2点に先生たちの意見が一致しました。
これまで1/200の模型を見ながら作業をしていたため、上空から見た絵が多く、平面としては川と建物の関係性が考えてあるけれど、断面で見たときにどのような関係性ができているのかを考えようということでした。自分が実際にその場にいる感覚で断面のスケッチを描いてこよう!と早速次回までの宿題が出題されました。
同じ渋谷川でも、グループごとにコンセプトが異なるところが興味深い発表でした。
次回は冬休み後と少し間が空いてしまいますが、中間発表で言われたことを忘れずに、断面を考えていきましょう!
風邪を引かずに、元気な姿でスタジオに集まってくるみんなと会えることを楽しみにしています!
子ども建築塾TA 山口絵莉一