塾生講座 大三島合宿3日目
大三島合宿最終日となった5月3日はあいにくの薄曇りとなりましたが、日射しが和らいで過ごしやすい天気となりました。この日は参道マーケットに参加して参道付近の散策を楽しみつつ、午後の報告会で今後の動きを共有するなど合宿の締めの一日となりました。
大三島参道マーケット
島のあちこちに宿泊していた講師・塾生が集合し、グループごとに参道を自由に散策しました。
「大三島参道マーケット」は大山祇神社の参道で開催される住民主体のイベントです。かつては島の賑わいの中心地だった参道ですが、しまなみ海道の開通など、時代の流れとともに人通りも少なくなっていきました。このマーケットは年に1〜2回開催され、島のおいしいものや雑貨、工芸のお店が連なり、スタンプラリーやワークショップなども行われます。
参道の雰囲気が良いので、歩いているだけでも楽しめますが、自慢の品をひっさげた出店者との会話のやりとりがとても愉快で印象的でした。動物モチーフの毛糸の編み物を売っていた女性は花やハーブが好きで、盛り上がった末にカモミールの種をいただきました。柑橘酵母を使った地ビールを販売していた方、瀬戸内産の食材を使ったフォカッチャサンドを販売していたパン屋のご夫婦からは、移住を考えていることやこれからやりたいことについて聞くこともできました。
参道ガイドツアー
昼食後は今治北高校大三島分校の生徒によるガイドツアー「歴史トラベラー新地」に参加しました。昭和35年頃のモノクロ写真を見ながら一緒に参道を歩き回り、写真が撮られた場所を探します。一ノ鳥居がひとつの大きな岩から切り出した石柱でできていることや、地形が変わり当時とは風景も一変したことなど、参道の歴史にまつわる話を教えていただきました。
伊東建築塾も改修に関わる元薬局の「鈴木邸」は、商品を陳列する見世棚を備えていたり、お金持ちの証であるうだつを上げているなど、特に見所の多い建物でした。
報告会
大山祇神社にも参拝し、小雨の降り始めたところで散策はお開きとなり、「大三島ふるさと憩の家」に戻って報告会を行いました。今回の合宿を踏まえて、より具体的な今後の活動や新たな課題について、グループごとに発表しました。
みかんの花香る大三島での合宿は駆け足ではありましたが、活動のテーマを深掘りし、たくさんの気づきを得られました。何よりも美しいしまなみの景色と人との対話を経て、これからもこの島に変わらぬ空気が流れていてほしいとしみじみ思いました。