子ども建築塾 前期第5回「中間発表をしよう!」
みなさま、こんにちは。6月11日に中間発表が行われました。今までの授業では実際に敷地を訪れたり、見学会に行ったりしながら、スケッチをもとに模型を制作してきました。
今回は、今の段階で「みんなの家」をどう考えているのかを、模型や自分の言葉を用いて発表しました。前期で初めての発表のため緊張もあると思いますが、言葉で説明することで自分の中でも考えが整理されていく大事な機会です。
昨年までとは異なり、今年は恵比寿の敷地が指定されている条件下で、子どもたちはどのようなアイデアをかたちにしてきたのでしょうか。
かたちや色については実際に敷地に行って暗いと感じていた子が多かったようで、色を用いて明るくしようという工夫や、とがった三角形という敷地のかたちから船を連想し、そこからみんなの家のイメージを膨らませている子がいました。
「みんなの家」で誰と何をするのかについては、実際におばあちゃんと一緒に遊んだ経験から卓球やゲームなど具体的に子どもからお年寄りが楽しめる場のイメージを持っている子や、隣の建物の壁をスクリーンとして使うことで映画を上映するような「みんなの家」を提案している子もいました。
発表の後は先生方から講評をしていただきました。
図書館や本を置くというアイデアに対して、一人になることが多い「本を読む」というアクティビティを「みんなの家」に取り入れるためには何かさらなる工夫が必要だということ。
屋根のかたちや素材を考えてきた子どもたちには、屋根だけでなく実際に足が触れる床にも工夫をしてみると良いということ。
椅子などの家具に着目している場合は、もっと大きいスケールで模型をつくると使い心地が想像しやすくなること。
それぞれの面白いアイデアをより建築に近づけていくには、これから何に着目したら良いか、具体的にアドバイスを得ることができました。
最後に、アストリッド先生からは「子どもからお年寄りまでが分け隔てなくみんなで一つのことができるみんなの家を改めて考えてみること」、伊東先生からは「実際に敷地があり広さや高低差に制約のある課題なので、外から眺めるだけでなく、自分がそこに入り込んでどう感じられるかを気にしてほしい」と子どもたちへの総評がありました。
私自身も中間発表で初めて全員の作品を目にしましたが、人通りが少ない・暗いといった敷地から感じた問題点を解決しようと提案する子もいれば、敷地の中でも青空が見えたことなど素敵だったところを見つけてそれらを活かす提案の子もいて、そのどちらもがこの敷地に「みんなの家」をつくることをよく考え捉えられていると感じました。
次回からは、本番模型づくりが始まります。今回の中間発表で学んだことを取り入れて、より敷地に合う「みんなの家」に近づけていけたらと思います。もう一度敷地に足を運んでみるのも良いかもしれません。
私ももう一度「みんなの家」について考えて、9月の最終発表に向けてまた頑張っていきたいと思います。
日本女子大学3年 塩田佳織