子ども建築塾2024年度 前期第2回 「RYOZAN PARK GREEN」見学会
5月11日(土)に行われた第2回授業の住宅見学会の様子をお届けします!
子ども建築塾としても久しぶりの住宅見学会は、恵比寿スタジオを飛び出し大塚にある竹沢徳剛さんが運営する「RYOZAN PARK GREEN」と「RYOZAN PARK 大塚」を見学させていただきました。
普段は前半クラス、後半クラスと全員で集まることがない子どもたちですが、今回は40名全員で見学に行くことができ、子どもたちはもちろん、先生方もTAもワクワクとした表情です。まずは2グループに分かれて2つの建物にそれぞれ見学に向かいます。今回の課題である「楽しい屋上暮らし」のヒントをみつけに行きましょう。
後半クラスはまずはじめにRYOZAN PARK 大塚の屋上に向かいました。
コワーキングスペースや託児所などさまざまな居場所があるビルの屋上は、おしゃべりが楽しめそうなバーカウンターやBBQができそうなテーブル、いろいろな植物やオタマジャクシなど都会の屋上とは思えない豊かな風景が広がっていて、子どもたちは思い思いに探索しています。
8階の高さから眺める景色を写真に収めながら、他のビルの屋上がどんなふうに活用されているか観察したり、屋上に置かれた家具の大きさを測ってみたり、室外機は木で隠されているのを見つけたり、気づいたりひらめいたアイデアを早速スケッチブックに描きとめます。屋上の植物が強風で倒れていたりもします。どうやら屋上は風も強いようです。風をどんな風に活かせるかな?
その熱が冷めきらないうちにさあ次の場所へ!
RYOZAN PARK 大塚から歩いて5分ほどの場所にある建築家の平田晃久さん設計のRYOZAN PARK GREENにやってきました。建物正面にみえるカーテンのような湾曲した壁は柔らかな見た目に反し、なんとコンクリートでつくられていて、子どもたちは実際に触ってびっくり!この壁は1階から上の階までつながっており、その動きのあるかたちが「滝に見える!家の中に山があるみたい」と子どもたちも興味津々です。
オーナーの竹沢さんによると実際にこの壁は建築家の平田さんが、竹沢さんたちとの対話の中から、荒ぶる滝壺や険しい岩山をイメージして設計したそうです。建物に絡みつくように植えられた植物は、向かいにある公園の新緑といずれ一体になり、まるで都市の中に新たな自然の風景を生み出していきそうです。このRYOZAN PARK GREENは1階はカフェ、下層部はシェアオフィス、上層階は住居として設計されていますが、住居のインテリアにも野性味溢れるアイデアが表現されています。テキスタイルデザイナーの安東陽子さんによってデザインされた岸壁のようなカーテンをくぐるとそこは洞窟の中のようです。この建物にちりばめられた様々な空間を目をキラキラとさせながら子どもたちは時間を忘れて見学していました。
2つの建物を見学した後、前半クラスと合流し、竹沢さんがどうしてこの建物をつくったか質問タイムです。
竹沢さんは、暮らしと働く場所が隣接し、みんなが家族のように助け合いながら暮らす村のようなコミュニティをつくりたくてこのRYOZAN PARKにまずシェアハウスやシェアオフィスをつくったそうです。ここで仲良くなり家族になった人がたくさんいたことがきっかけとなり、家族単位でもシェアハウスのような暮らし方ができればと「RYOZAN PARK GREEN」ができたそう。同じビルに暮らすもの同士で子育てを助け合いながら暮らす安心感を求めて、引っ越してくる方もいるそうです。子どもたちは生活のスタイルの多様さに真剣に耳を傾けていました。その後も建物のデザインのことから、RYOZAN PARKでの暮らしなど多くの質問が飛び交いあっという間に見学会は終了しました。
今回は、日本ではなかなかみられない多様な文化を取り入れた空間を見学することができた貴重な機会となりました。次回の授業からはどんな暮らし方をするかを本格的に考えていきます!今回の見学会で見たこと、感じたことを活かして、楽しい屋上暮らしを考えていきましょう!
TA 棚橋 美槻