子ども建築塾 前期10回「自然のようないえ」の発表会!
こんにちは。子ども建築塾TAの森田祥子です。
前期の授業もついに最終回となりました。台風の近づく10月11日に「自然のようないえ」の発表会が行われました。今日のスタジオは、先生たちや見学に訪れたお父さん・お母さんが発表用のステージを囲んで、いつもより少しだけ緊張感が漂います。思い返せば、スタジオで様々な実験をしたり、平田晃久さんの住宅「coil」を見学したり、スケッチや模型をつくっては、今日までたくさん試行錯誤を重ねながら、一生懸命考えてきました。きっと素敵な「自然のようないえ」ができ上がっているはず!発表の順番をじゃんけんで決めたら、いよいよ発表会の始まりです!
Bグループ「山のようないえ」
トップバッターは岡崎岩生くん。小さな部屋を積み上げた、子どもからお年寄りが一緒に住むいえと、一年中四季が楽しめる春夏秋冬のドームの提案です。
山の中の自然の光を感じられるいえを作ったのは手塚無捺ちゃん。先生からは「朝から夜まで、どんな光の中で生活するかを考えると面白いね」というコメントをいただきました。
矢作紗枝ちゃんは、大きな木を囲んで暮らすいえをつくりました。山にある音や涼しさ、目に見えない性質を取り入れると素敵な暮らしができそうです。
残念ながら今回お休みだった兼清悠祐太くんは、TAの門間くんが代わりに発表してくれました。山を探検するような体験ができるいえの提案に対し、先生方は「自分の体験を建築にできていて素晴らしい!」と大絶賛。模型の中をのぞき込んで、その中にいるような気持ちでつくることの大切さを教えてくださいました。
Dグループ「火のようないえ」
ストッキングを使った模型をつくり、自由な火のかたちを表現した重枝梨乃ちゃん。天井が高かったり低かったり、色々な場所ができているのが面白いので、天井のかたちに合わせて暮らし方を考えるともっと良くなるというアドバイスをいただきました。
古林梨夏ちゃんは火のように常に揺れているいえを提案してくれました。家具をブランコにしたり、インテリアや暮らし方もゆらゆらすると楽しそうです。
最年少の大海明くんは、火のようにゆらめくいえの提案です。ねじれた壁に開いたたくさんの窓から、朝から夜まで様々な光が差し込んで、いえの中にいても一日中光のゆらめきを感じられるようないえができあがりました。
Aグループ「虹のようないえ」
村上恵夢くんは大きな滝の裏に住むいえをつくりました。水しぶきに光が当たって発生するという虹の原理を捉えた作品です。
色とりどりの筒状の部屋をつくったのは野々山泰地くん。「筒と筒の間を移動していく体験が魅力的」とのコメントをいただきました。
虹色の針金でいえをつくった江口和李ちゃんは、模型をつくりながら、白い壁に虹の色が映り込む現象を発見したそうです。こんな風に模型を丁寧につくると、そこから新しい発見やアイデアが生まれてきます。
竹田優香ちゃんは透明なアーチのいえに竜が巻き付いている独創的な提案です。「虹」というテーマから「竜」をイメージするなんて、なんてユニークなんでしょう!
Cグループ「波のようないえ」
佐藤萌加ちゃんは透明な壁に綺麗な波紋をデザインしたいえをつくりました。まちを歩く人が見て楽しめる建築です。
森の中で波を感じたい、と大きな滝の隣にアスレチックのようないえをつくったのは田原陸人くん。おもちゃ箱のような楽しい場所が積み重なるいえができました。
渦巻きから発想した守島伶くんは、筒状のいえを提案してくれました。発想のもとになった参考写真をプレゼンボードに載せたことで、先生たちにもイメージが伝わります。
レオちゃんは「水」というテーマが昨年度に引き続き3回目の挑戦ということで悩みながらも、波が重なり合うダイナミックないえをつくりました。スタディをするときに柔らかな紙を使ったり、模型材料にもこだわるともっと自由な発想が生まれそうです。
Eグループ「星のようないえ」
いよいよ最後のグループの発表となりました。
光が人を包み込むいえを提案したのは、大海はなちゃん。月明かりのない暗い夜でも、海に浮かぶ球状のいえが星のように光る、優しい提案です。
村橋こはるちゃんは家族みんなで星を見ながら眠る天文台のようないえをつくりました。大きな望遠鏡を置いて、天体観測をしても楽しそうです。
佐口幸太郎くんのいえは、上下に動く球体の中に住むという宇宙的な提案です。他にはない科学的なアプローチが印象的でした。
最後に、今回お休みだった田村さや子ちゃんに代わって、TAの眞船くんがドーム型のいえを発表してくれました。夜にはドームが光って、周りを囲むふわふわの木が雲や銀河のように見える幻想的な提案でした。
最後に先生方から総評がありました。「かたちだけでなく、自然の性質や現象、そこでの体験に着目して建築にできたことが、大変素晴らしかった!」と伊東先生も大満足だったようです。太田先生からは「模型の中に入り込んで、どんな風に見えるか、感じるかをもっと考えていこう」と、後期の授業に向けてのアドバイスをいただきました。
さて、後期は「〜とともに」をテーマに、千駄ヶ谷のまちを舞台に、様々な「まちの建築」を提案します。「自然のようないえ」でも誰と一緒に住むのか、どんな場所につくるのかを発表してくれた人がいたように、人の暮らしはたくさんの人や家や自然が一緒にあることで成り立っています。難しいテーマですが、後期も楽しい授業になりますように、みんなで頑張りましょう!