LIXILメムメドウズプロジェクト「大樹町の食を楽しむワークショップ」(1日目)
2016年8月、北海道大樹町にある実験住宅施設・メムメドウズにて「地場の素材で家具をつくるワークショップ」を開催しました。メムメドウズの中にある、伊東塾長が改修設計を行った「スタジオメム」を活用しようという主旨でワークショップが企画され、第2弾として12月17〜18日の二日間、キッチンのスペックも調理用具もレストラン並に整備されているスタジオメムで「大樹町の食を楽しむワークショップ」を開催しました。
今回は真冬の時期の開催のため、常に零下の環境にある北海道では水道が凍ってしまい、使えないことがあることを初めて知りました。さすが、北の国です。そのため、前日にはスタジオの水道の水抜き作業などを行い、暖房もしっかり用意して、スタッフはドキドキしながら当日を迎えました。
今回は地元の食材を生かし、大樹町の家庭では珍しいメニューを料理家のヒラタマリさんに教えていただきました。マリさんはパリのル・コルドン・ブルーにて料理を学び、三ツ星レストランで修業し、現在はブラジル大使館の料理顧問を務めているほか、ブラジルとヨーロッパ、日本のガストロノミーのコーディネーターとしても仕事をされています。
午後から11名の参加者が集り、最初にマリさんより今日のメニューをご紹介いただきました。
このワークショップでは、参加者にとって馴染みのある食材に少しだけ手を加えることで、新しい味を発見できることを目指しました。自然発酵のパン、ディップとカノーリに使うためのリコッタチーズ、冬の根菜サラダ、豚のリエット、魚介のフェイジェアーダ、カニのグラタンをつくりましたが、ブラジルのサンパウロで生まれ育ったマリさんの個性が十分に発揮されたメニューでした。
早速グループに分かれて、それぞれの作業を始めました。
あっという間に日が暮れて、料理も少しずつ仕上がってきました。
イーストを一切使用しない、マリさんが数十年使い続けている発酵菌からつくった自然発酵のパン
カニの甲羅に入れて焼いた、チーズたっぷりのグラタン
大樹町の鮭やエビ、ホッキ貝などの魚介と白豆を使用したフェイジェアーダ
デザートには大樹町の半田ファームの牛乳や生クリームを使用し、手づくりのリコッタチーズを詰めたカノーリ
スタジオから漂っている香りに導かれたように、大樹町長を含む数名の参加者が加わり、夜の交流会が始まりました。
ワークショップでつくった料理に加え、お隣の池田町から調達した十勝のワインを飲みながら盛り上がりました。北海道の真冬なんて、思えないほど、心温まる夜になりました。2日目のワークショップも楽しみです。
伊東建築塾 ジョイス・ラム