子ども建築クラブ/ LIXILメムメドウズプロジェクト2017「地場の素材で家具をつくる」ワークショップ(1日目)
皆様こんにちは。昨年度に引き続き、今年も子ども建築塾の卒業生を対象にした、子ども建築クラブを開催しました!8月1日からの5日間で「地場の素材で家具をつくる」というワークショップを北海道広尾郡大樹町で行いました。また、今年度は新たな試みとして最終日の8月5日に伊東豊雄さんと藤江和子さんのトークイベントを開催しました。このブログでは1日目の様子をレポートします。
1日目、羽田空港からとかち帯広空港に着くと、外は台風が去った後のような青空で、過ごしやすい気候でした。子ども建築塾塾生OB・OGと講師の宮本茂紀さん、藤江和子さんとレンタカーに乗って、はじめに昨年度制作した家具が置かれている道の駅に向かいました。
道の駅に着くと、昨年度つくった家具がきちんと使われていたことを確認することができました。バスの待合所に置かれたテーブルは、コップの跡がついていたり、誰かがその上でお絵描きしていたのか、ペンの色が少しついていたりと、1年間の汚れがありました。そこで今回は、新たな家具づくりをすると同時に、みんなで昨年度つくった家具を直し、きれいにすることにしました。
次に、木材製材所「双日北海道与志本株式会社」に向かい、伐採された木がどのように製材されているかを見学させていただきました。木材製材所に着いて、最初に目に飛び込んできたのは、丸太がたくさん積まれている風景でした。子どもたちが興味深々でその丸太の山を見ていると、宮本さんが木についてその場でレクチャーを始めて下さいました。みんなで木の年輪を見たり、木の皮の匂いを嗅いだりしました。その後、木材製材所の方のお話を聞いて、見学のルールを確認し、製材所内を案内していただきました。
最初の製材作業は、丸太の皮をむく作業です。丸太の山から丸太を数本運び、ごろごろと大きな音を立てながら機械の中に1本ずつセットされ、その機械で木の皮をきれいにむいていきます。きれいになった丸太は、本機と呼ばれる機械に投入され、カットされていきます。カット作業により、丸太が板状になり、みんなが見慣れている木材になっていきました。大きな音がする製材所でしたが、子どもたちが真剣に案内を聞き、見学をしている姿を見て、何かを得ている気がして、今年も良い家具づくりができるのではないかと思いました。
製材所見学の終盤、子どもたちはあるものを見つけました。それは、「木チップ」です。木を削ってできた木チップに興味深々で、宮本さんにレクチャーしていただいたときと同じように、チップの匂いを嗅いで楽しんでいました。こういった経験ができるのも、製材所ならではだと思いました。
次に、今年もお世話になる「くるみの会の工房」に向かいました。到着後、自己紹介をした際に、昨年に引き続き参加してくれた子や今年から新たに参加してくれた子を見て、くるみの会の皆さんが嬉しそうにしていました。
続いて、宮本さんと藤江さんによる木のレクチャーを受けました。レクチャーでは、たくさんの木の見本と北海道に着いてから見つけた葉っぱを用いてお話をして下さいました。また、木の表面を水拭きするだけで、木目をきれいに見せる方法も実演して下さいました。子どもたちも実際に見て、触って、匂いを嗅いで、それぞれの木の特徴を学びました。
レクチャーの後、今回の家具づくりで使用できる木材を見ながら、アイデア出しを行いました。材料を見て、「これでベンチをつくりたい!」「この木でテーブルをつくりたい!」など、ほとんどの子が何をつくりたいかをすぐにイメージしていました。その材に合った使い方を自分たちで見つけていて、とても驚きました。明日からの作業が楽しみになりました!
作業が終了した後は、今回の宿泊先であるメムメドウズに向かい、大樹町の食材を使った美味しい夕食をいただきました。そして、晩成温泉に行って入浴した後、今日1日だけでもたくさんのことを学んだ子どもたちは、明日からの家具づくりのイメージを膨らませながら、就寝しました。
これで1日目は終了です。2日目は、いよいよ家具づくりがスタートします。大樹町の子も加わり、どんな家具ができるのか・・・?続きは2日目のブログで、お楽しみください。
神奈川大学 TA 庄子利佳