子ども建築塾2018年度 特別授業 住宅見学会「house h」
みなさん、こんにちは!千葉大学工学部建築学科4年の伊東甲斐です。
7月7日(土)に行われた特別授業の住宅見学会についてお伝えします。
今回見学に訪れたのは、建築家の百田有希さん、大西麻貴さんが設計された住宅「house h」です。
当日はお天気にも恵まれ、集合場所にも徐々に子どもたちと親御さんが集まってきました。
集合時刻を迎え、スタッフの説明を聞いた後、いよいよ見学する住宅へと出発します。
道中はどこにでもありそうな住宅街。その中に、明らかに変わった外観をした住宅が見えてきました。これが、今回見学するhouse hです。「これ、おうちなの?!」「どこに玄関があるの?」子どもたちの興味も募っていきます。
スタッフの案内で入り口に進んでいきますが、外階段を上り、2階から部屋に入る新鮮さに、私も期待に胸が膨らんでしまいます。最初に、2階のデイベットコーナーで、設計者の百田さんからこの家について教えてもらいます。
その後、各グループに分かれ、いよいよ20分間の見学が始まりました。
「地下にお庭がある!」「なんでこんなところに和室があるの?」「すごい!下まで見える!」なにか、からくり屋敷にでも入ったような、不思議な構成の家に、子どもたちの興味は尽きません。
地下2階は倉庫。地下1階は寝室ですが、住まれている方にお話を伺うと、主な生活は地下1階の寝室で送っているとのこと。
確かに地下1階にはミニキッチン、お風呂、トイレ、テレビなど必要なものは全てそろい、さらには水槽の中をイメージしたドライエリアが見える、良い眺めの窓もあります。ここでの豊かな生活が、目に浮かびます。
1階・2階・3階は吹き抜けを通してつながっていて、見えていなくても、人がいるのが分かります。またこの家には、高さは4階に相当する屋上階にまで、屋外の階段が伸びていて、その先には、屋上庭園や茶室があります。普通の家にはないものだらけのこの家に、子どもたちもさぞわくわくしたと思います。
20分という見学時間はあっという間に過ぎ、質問タイムを迎えます。
「なんで壁が木の部分とコンクリートの部分があるんですか?」「迷路みたいにしたのはなんでですか?」緊張しつつも、子どもたちから飛び交う質問に対し、百田さん、大西さんがわかりやすく解答してくれます。
木の材質に見えた壁は、実は中は鉄でできていること。家のエレベーターを中心に何重もの層のようなイメージでつくったこと。設計していく中での考え方や途中でひらめいたアイデアなど、様々なお話をしていただきました。
家というのは、ただの箱ではない。子ども建築塾の卒業生の言葉ですが、house hはまさにこの言葉を表現している住宅だと思います。子ども建築塾では、「動物と一緒にくらすいえ」が前期のいえの課題です。
今回のこの経験が、子どもたちの作品を、より豊かなものにしてくれることと思います。
千葉大学工学部建築学科4年 伊東甲斐