第7回 子ども建築塾
9月10日に第7回「子ども建築塾」がありました。
10日は前回の引き続きとして、模型製作が引き続き行われたのですが、それと平行して、模型が順調に進んだ人は図面を描いてみるという試みを行いました。図面といっても定規等で寸法を的確にわりだすというものではなく、スケッチのような感覚で自由に描きます。例えば上から俯瞰で見た平面図のようなスケッチを描いてきた子は、横から見た断面図などのように、自分がもともと描いてきたスケッチに無い構図を見つけ出し、それを描いてみます。
ただ子ども達の多くは、イメージが立体的に立ち上がる模型のほうが作業をしていて楽しいようで、模型製作の手がとまることはほとんどありませんでした。
子ども達の模型製作を手伝っていて非常に興味深いのは、こちらが何も教えていないのに、自分の作りたいものへと辿り着くための手順を意外にもちゃんと把握していることです。初めに自分が絵にしたイメージがどこまで立体として具現化できるのか、そのための試行錯誤には驚かされるものがあります。中には始めに描いてきたスケッチの実現性の厳しさに、模型を製作しながら案を修正する子もいました。修正する前の案も大変に面白いものでしたので、自由な発想で好きなように作っていけばよかったのかもしれませんが、少なくとも修正できるということはイメージがしっかりと構築されていることの表れでもあります。
模型製作の手順も人により様々で、平面プランを土台に貼付け、そこにスチレンボードで壁を立ち上げていくように作る子もいれば、建物全体を幾つかのボリュームに分割し、それを足し算するように作って子、また宮大工のように土台から順序だてて丁寧に組み上げていく子もいます。模型製作の手順は、彼等が最初に描いたスケッチと対応しており、平面プランを描いている子やパースだけの子、立面図のような絵で表現する子など、絵画の描写方法が模型再制作手順に影響しているのはおもしろいことです。
この先、これらの模型がどのように発展していくかが楽しみです。