4年目の活動に向けて
4年目の今年は、「建築をつくることの真の楽しさ、面白さ」を伝えたいと考えております。本来、建築を実践することは、具体的かつ発見的で、身の回りの生活に直結しているはずです。しかし残念ながら、現在の建築教育は「もの」から離れ、概念に偏重しています。難しく抽象的に建築を考えすぎていて、つくる楽しさや魅力を忘れてしまっているのです。
建築を考えることの楽しさを取り戻すためには、科学的な思考ではなく、「野生の思考」とも言うべき、具体的、発見的思考の方法を確立しなければならないと思います。私達は、こうした新しい建築の思考方法を、塾の実践を通じて確立したいと考えます。
また、瀬戸内海の美しい大三島に誕生した今治市伊東豊雄建築ミュージアムも、今年4年目を迎えようとしております。私達は今夏スタートするミュージアムでの展覧会に伴って、島の将来像を描きながら、塾での実践活動と地域のあるべき姿を結びつけて提示したいとも考えております。
どうか私共の活動の趣旨を御理解いただき、会員への御登録、あるいは御協賛を賜りたく、御願い申し上げる次第です。
NPOこれからの建築を考える
理事長 伊東 豊雄