子ども建築塾 後期6回「栃木のまち探検に行こう!」

2014年02月13日

皆様、こんにちは。横浜国立大学大学院修士2年の孕石樹理です。

1月11日、子ども建築塾後期6回目の授業が行われました。今回は恵比寿スタジオを飛び出し、栃木市を訪れ、冬晴れの青空の下、寒さに負けず元気に『栃木のまち探検』を行いました。東京から電車で約1時間半、ふだん授業を行っている恵比寿とはまた違う趣のある栃木で、子どもたちは何を感じ、何を発見したのでしょうか。

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まず栃木駅に集合した後、「蔵の街観光館」に移動し、太田先生のお話、まち探検の説明を受けました。この「蔵の街観光館」はかつての見世蔵と土蔵を活用し、お土産の販売や観光案内を行っている、歴史を感じさせる建物の一つでもあります。

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そしていよいよ『栃木のまち探検』開始!今回は2グループに分かれてまち歩きを行いました。子どもたちは早く探検に出たかったようで、寒さをものともせず駆け出していきました。

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私たちのグループは、初めに巴波川(うずまがわ)の川沿いから見学していきました。江戸時代、巴波川は江戸との交易を行うたくさんの舟が行き交っていました。これは栃木のまちが栄えた理由の一つでもあります。今ではすっかり穏やかな風景となっていますが、今でも船頭さんの案内のもと舟行を体験できるなど、昔を今に伝えるものがいくつかありました。

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またこの巴波川沿いには「塚田歴史伝説館」と呼ばれる黒塀と白壁土蔵が印象的な建物もありました。子どもたちも興味津々に『何これ〜?』と黒塀と黒塀の隙間を見つけては覗きこんでいたのが印象的でした。
子どもたちは、東京ではなかなか目に入らない建物のちょっとした違いを敏感に感じ取っていました。これも、いつもの慣れた場所を離れて行うまち歩きの醍醐味ではないでしょうか。

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まち歩きを始めて一時間弱、次に訪れたのは伝統的建造物保存地区にも指定されている例幣使街道です。街道沿いにある「岡田記念館」に見学に行きました。ここでは昔の農道具や着物などが飾られていました。今までに見たことのない様々なものに、『これ何〜?』と一つひとつ説明を求めてくる子もいました。

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次に訪れたのは、「翁島」と言われる別荘建築です。明治時代、先ほど訪れた「岡田記念館」の持ち主でもある岡田家の22代当主が建てたそうです。

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まず私たちが驚いたのは、その寒さです。今の住宅のように、もちろん断熱材など使われていません。足の裏から凍り付くような寒さが伝わってきました。みんな足下をそわそわさせながら、案内の方のお話をきいていました。しかし、この住宅はその寒さを忘れるほど素晴らしい見所がありました。その中でも一番感心させられたのは、廊下に使われている10mにもおよぶ一枚の欅の板です。長い廊下を一枚で継ぎ目なくつくっていて、大事に使われてきたからこそ見せる輝き、美しい木目は圧巻でした。他にも美しい庭園など、見所はたくさんありました。

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こうして盛りだくさんのコースを、およそ1時間半かけて、子どもたちと一緒に歩きました。新しいまちを訪れると、子どもたちは敏感に様々なものを発見してくれます。こうした目線でまた恵比寿に戻ってまちを歩いたとき、恵比寿のまちでも新しい何かを見つけてもらえると嬉しいな、と思います。

次回からは恵比寿のスタジオに戻り、「まちの建築」の模型をつくっていきます。3月の発表会にむけて、オリジナリティあふれる素敵な空間を実現させてほしいです。まだまだ寒い日がつづきますが、元気に頑張っていきましょう!