子ども建築塾 前期第7回「見学会に行こう!」

2016年10月05日

みなさん、こんにちは。7月27日に行った前期第7回の授業では、手塚建築研究所が設計した「ふじようちえん」の見学会に行きました。当日は手塚建築研究所の代表の手塚貴晴さんと手塚由比さん、加藤園長先生に園内の案内をしていただきました。

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はじめに、園舎の横に面しているキッズテラス前に集合し、まずはキッズテラス内で園の紹介動画を鑑賞しました。楕円形の大きな屋根と、屋根を突き抜けるように伸びる3本の樹が特徴的なふじようちえん。実際に足を踏み入れると、園内は園庭や屋根の上を走り回る子どもたちの元気な笑い声で満ち溢れていました。

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楕円の形状には子どもたちが自由に走り回れるということだけではなく、隅っこをつくらないことで仲間外れをつくらないという思いも含まれています。その楕円の屋根には内側に向かって微小な傾斜がかかっているため、自然と走り出してしまうように設計されているそうで、実際に子ども建築塾の子どもたちだけでなく、TAのお兄さんやお姉さんも自然と園内を走り出していました。

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併設するデッキテラスからは園舎を一望でき、ツリーハウスでは鉛直方向への楽しい動線が体験できます。園内をぐるぐると廻ることで、五感を使ってふじようちえんの魅力をたっぷりと味わいました。

また、案内中に加藤園長先生がおっしゃっていた「不便さを乗り越えようと自分で考えることで子どもは成長します。ですから、ふじようちえんはあえて不便さを残しています。」という言葉がとても印象的でした。普段なら単に不便だなと思ってしまうようなことも、不便という名の思いやりに感じられ、ふじようちえんは園児たちへの愛情で満ちているように映りました。

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さて、前期のいえの授業も残りわずかです。見学会を通して実感した、体全体で建築を楽しむ、ということを「いえ」の作品に反映させられるといいですね。次回からの模型づくりでは、今までのスケッチや練習模型を通して見つけた面白い空間や、思い描く楽しい情景を本番模型として表現していきます。みんなの個性で溢れる、素敵な模型がスタジオに並ぶ風景を考えると、前期発表会が今からとても楽しみです。

芝浦工業大学大学院修士1年 佐藤 駿