HIROSAKI DESIGN WEEK「こども・まちづくり塾」第1回目

2016年11月25日

皆さま、こんにちは。
10月上旬に青森県弘前市にて開催された、「HIROSAKI DESIGN WEEK」の一環として、市内の中高生を対象にした「こども・まちづくり塾」が行われました。「こども・まちづくり塾」では、弘前市吉野町周辺を敷地とし、弘前市在住の中高生たちと一緒に、10年後の弘前のまちを提案しました。9 月25日(日)にまち探検、 10月2日(日)、8日(土)にディスカッションや模型制作、10月9日(日)に最終プレゼンを行い、計4回の盛りだくさんなプログラムになりました。
このブログでは、9 月25日(日)に弘前まちなか情報センターで行われた第1回目の授業の様子を、初めて顔を合わせたこどもたちの緊張感とともにお伝えします。

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この日の弘前市はすっきりと晴れ、過ごしやすく、まさにまち探検日和でした。私たちスタッフが待つ会場に、緊張した面持ちの弘前の中学生が徐々に集まってきました。
弘前のことについて話をしてくれる子、人見知りなのか口数の少ない子、お友達を見つけて喜んでいる子とさまざまです。これから、このメンバーで弘前の未来を考えていきます。緊張と期待が混じり合う雰囲気の中、始めにプログラムの説明と自己紹介を行いました。

続いて、今回講師を務めていただく建築家の大西麻貴さんにレクチャーをしていただきました。「まちを愛そう!」「自分の好きな人が気になるのと同じように、自分が好きだと思うまちに対して目を向けていくことはまちづくりの第一歩になるよね!」と子どもたちに向けて教えていただき、まちを考える、創造するにあたってのさまざまなヒントを体験談とともにお話ししていただきました。「まちは誰がつくっているの?」「まちには誰がいるの?」という問いかけには真っ先に葛西弘前市長のお名前が挙がりました。

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大西先生のレクチャーの後は、先ほどお名前が挙がった、葛西市長からご挨拶がありました。「HIROSAKI DESIGN WEEKでは、弘前のまちの人たち全員がクリエイターです。若い君たちのアイデアを、東京に、日本に、そして世界に向けて発信してほしい!」と、熱い言葉をいただきました。
葛西市長のご挨拶の後は特別講師として、弘前文化財保存技術協会 理事長の今井二三夫さんより、弘前市の歴史や計画地の特徴について、敷地模型を使いながら分かりやすく説明していただきました。

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今井さんのレクチャーの後は、いよいよまち探検へ出発です!今回の計画敷地は特徴ごとに4グループに分かれます。簡単に各グループの計画敷地について説明します。Aグループは中央弘前駅を中心とし、駅の改修や提案、教会へのアプローチなどを検討するグループで、駅、教会、川、商業施設といった要素が特徴的です。Bグループは土淵川沿いが敷地です。この土淵川を主軸に周辺の店舗や緑地の利用を提案します。Cグループは土淵川吉野町緑地の利用方法や緑地をからめた倉庫のリノベーション提案を行います。Dグループは吉井酒造煉瓦倉庫を含む敷地で、この倉庫のリノベーションを主に神社へのアプローチなどを計画します。

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それぞれの敷地に魅力的な要素がたくさんありますが、子どもたちは何を見て何を思うのでしょうか。講師の大西麻貴さん含め、全員でまち探検を行いました。ボランティアで参加してくださった弘前在住の方から、昔の様子やエピソードを聞きながら心地よい風景の中を歩いていきます。緊張していた子どもたちの顔にも笑顔が見え始め、「川の石がきれいだね」「木に実がなっている!」「虫嫌いー」など、見えたものや聞こえたもの、嫌なものを実際に言葉に出しながらまち探検を行いました。吉井酒造煉瓦倉庫も特別に建物内を見学することができました。

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敷地全体をまわった後は、実際に見て自分が気に入った敷地を選ぶグループ決めを行いました。「どこでも良い」という子は1人も見当たらず、みんな積極的にお気に入りの敷地を見つけることができたようでした。

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続いて、グループに分かれて自分たちの敷地をもう一度見学した後、会場に戻り、まち探検の整理をしました。真っ白の模造紙にペンと付箋を使い、発見したものや気付いたことなどを書き込んでいきます。作業は短い時間でしたが、あっという間にカラフルな模造紙へと変わり、子どもたち同士の会話も自然に弾んでいたことが印象的でした。

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各グループ内でのまとめが終わり、これからみんなが創造していく敷地模型を囲んで、発表を行いました。初めて顔を合わせたときの緊張は何処かへ、みんな自分のグループの発見をしっかり発表することができました。

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「HIROSAKI DESIGN WEEK こども・まちづくり塾」はまだ始まったばかりですが、最終的に弘前の子どもたちがどのような未来のまちを提案してくれるのか、今からとても楽しみです。

次回10月2日(日)は、いよいよ模型づくりをスタートします。イメージを絵にしてくるという宿題を笑顔で持ち帰った子どもたちですが、次回はどんな授業になるのでしょうか。弘前の未来を創造する「こども・まちづくり塾」での経験を大切に、これから頑張っていきましょう!

日本大学理工学部建築 稲庭 香歩