塾生講座 レビュー⑦

2017年01月13日

12月23日、2016年最後のレビューが行われました。一年の締めくくりであることによって、いつもに増して熱い議論が続きました。その後は忘年会も開催しました。

各チームがプロジェクトを進める際、島を中から動かすべきか?外(都市)から動かすべきか?を自分たちに問いかけながら、様々な切り口でたくさんの関係者に働きかけてきました。数ヶ月の活動を経て、思うような変化を感じられない中、今の状況を打破するために、我々は何をすべきかと熱い議論がありました。

移住者を増やすために、都市部でのアプローチが必要ではないか、島に住んでいる方にとって本当に望んでいる活動なのか、自分たちが楽しそうに活動していると人が集まってくるではないか、など講師のみなさんから熱い言葉の数々。何のためにプロジェクトを進めているのかという根本的な議論は、塾生が個々にもやもやしていた部分を刺激し、少しすっきりしたという塾生の声もその後の忘年会で聞こえました。

さて、各チームの活動報告です。

ガイドブックチーム
将来の大三島はこうなる!大三島の未来新聞のコンセプトとデザイン案を発表しました。発行日は3年後という未来の日付けに設定するのはどうか、と伊東塾長から提案していただきました。また、バイリンガルで発行する予定のため、フリーペーパーの名前は外国人観光客にも覚えやすい「OH! MY SHIMA(おお!まいしま)」にしました。日本語で言うと、「私の誇りに思う島」という意味も含まれているようです。デザインは青焼きをイメージし、建築らしさや臨場感を出します。「未来新聞は内容が肝心!」と講師の遠山正道さんからコメントをいただいたので、これからは各チームとコミニケーションを取りながら、内容を検討していきます。

OH! MY SHIMA draft 161213 「OH! MY SHIMA」創刊号のデザイン案

ブランディングチーム
ブランディングチームを中心に企画した「大三島イノシシを丸ごと食す、小さな会。」は昨年11月27日に恵比寿スタジオで行いました。今回はフードコーディネーターの美才治真澄さんをお招きし、イノシシ肉を使った様々な料理をつくっていただき、さらに、「しまなみイノシシ活用隊」の代表の渡邉秀典さんがイノシシの解体ショーも行いました。今回のイベントはレストランのシェフや編集者などに絞って開催しましたが、反響がとても良く、イノシシ肉の注文が殺到しているようです。

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IMG_8666「大三島イノシシを丸ごと食す、小さな会。」の開催風景

ブランディングチームの中では、伯方の塩を使ったサンドイッチの開発の提案などの活動も継続しています。島だけでなく、外からも発信したほうがより効果的ではないかとアドバイスをいただきました。若い人に向けた情報発信など、更なる工夫をして進めていきます。

ワイナリー休憩小屋+醸造所・オーベルジュチーム
チームで制作を行った休憩小屋やイノシシ対策の柵について議論しました。島内の古材を使うと、場に相応しいデザインを考えられ、島の方々も自然に巻き込めるのではないかと新たな建築のアプローチを模索しています。

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オーベルジュに関しては、どのような空間が必要なのかのアイデアを発表しました。敷地の環境も確認しつつ、これからはオーベルジュに必要な機能や規模など、具体的な検討を始めていきます。

Farm HUBチーム

2016年11月20日に大三島公民館で「Taverna Omishima」というイベントを開催しました。当日は大阪南森町にあるシチリア料理レストラン「Trattoria nico」の塩田シェフをお招きし、大三島で育った野菜を使ってシチリア料理を教えていただきました。参加された島の方々が地元産の野菜の新たな可能性を感じられたようです。大三島みんなの家に取り入れられるといいね!というコメントもあり、大三島に新たなシチリアの風が吹きそうです。

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「Taverna Omishima」イベント風景

一方、耕作放棄地の農業サポートとして、大三島の農業生活モデルを作成したいと考えています。まずは、島の農家さんにご協力していただき、農家の家計シュミレーションを行いました。今後、移住者の誘致のあり方を検討していきます。

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大三島公民館+図書館チーム
大三島公民館と図書館の間につながっているエントランスを活用するために、「コミュニティひろば 再生のための企画書」を作成し、春夏秋冬に分けて4つのイベントを開催する案を行政に提案する方向に進めています。具体的なイベントとして、「坂倉さんの名作めがね椅子をリメイクしよう!」、「コミュニティひろば(仮)に置くテーブルと椅子をつくろう!」「大三島のおいしい野菜や食を知ろう!」「大切な本のための、ブックカバーをつくろう!」などワークショップを構想しています。ここで大きく議論されたのが、誰に向け、誰を巻き込みながらイベントを行い、行政にどうアプローチするか?といったことでした。そこから派生し、大三島でのプロジェクトの本質的な熱い議論がなされました。

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屋台チーム
大山祇神社参道の緑化に取り組み始めた屋台チームは、参道の玄関先と空き地を花で彩る計画について発表し、どのような花をどう置くのが良いか?見え方をシュミレーションしつつ、花の咲く時期、メンテナンスの仕方など検討しました。建築塾らしくプランターをデザインしては?花は和の雰囲気のものの方が参道の雰囲気に合うのでは?というコメントがあり、今後継続的に検討していきます。

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熱いレビューの後は忘年会。国産ワインを片手に、おおみしまーけっとチームが開発した「イノシシレモン鍋」を試食しました。さっぱりしてとてもおいしかったです!来年も頑張っていきましょう。

塾生 藤澤紀子