子ども建築塾 後期7回「エスキースを受けよう!」
こんにちは。子ども建築塾TAの白石綾です。
1月17日、子ども建築塾 後期7回目の授業が行われました。この日の授業は、先生やTAによるエスキースを受けて、アイデアをより良いものにしようと試みました。
私たちの班では「まちなみ・建物」というテーマに取り組んでいます。2020年の東京オリンピック開催により話題となる国立競技場や、鳩森八幡神社などの歴史ある場所も残る千駄ヶ谷ならではのまちなみの素晴らしさを生かしたものをつくるという難しい課題です。
子どもたちは、中間発表で先生方からいただいたアドバイスや、前週に行われた佐原のまち探検での観察を生かしたアイデアを、事前に宿題としてスケッチや文章にまとめてきました。
まず、子どもたちの描いたスケッチを見ながら
「ここは、どんなことをする場所なのかな?」
「この構造にしたのはなぜ?」とひとりひとりに質問していきます。
子どもたちからは
「静かな住宅街の中で、まちの音を聞きながら過ごせるように」
「隣のお家の人と仲良くなるため」
「千駄ヶ谷の今と昔を感じながら歩ける建物にしたかったから」
など、人とものや人同士を仲良くさせる仲介役としての建築家の役割を果たしているな、と伝わる理由が返ってきます。さすが小さな建築家です!
ここから、どうすればさらに仲良くなれるのか先生やTAと一緒に考えていきます。
「千駄ヶ谷らしい音はどんな音だったかな?」
「敷地周辺の地形や道幅はどうだったかな?」
など、子どもたちと会話しながら何パターンもイメージをスケッチに起こしていくうちに、新しいかたちや構造が見えてきます。
また、先生方から全く違った視点で見ていただくと、
「建物の壁をまたぐように、新しい通路をつくってみたらどうかな?」
「建物の真ん中の階の壁を全部とってみたら、どうなるかな?」
など、子どもたちの発想力を刺激する大胆なアドバイスに、新しい発見や多様な方向性が見え、刺激的なエスキースになりました。
こうして子どもたちの柔軟な発想で一気にイメージが膨らみ、コンセプトの面白さだけではない、敷地としてリアリティがありつつも、面白い構造の建物の姿が浮かびあがってきました。
そして先生からエスキースを受けて、イメージが固まった子から模型づくりに取りかかります。最初は小さなスタディ模型からつくりはじめ、自分のつくる建物のボリュームとまわりの環境を確認しながら、さらにより良いかたちを立体で探っていきます。みんな自分のイメージした建物を模型にしようと、ひとつひとつ丁寧に素材を選んでいますね。
TAも子どもたちのつくりたい模型に合う素材を一緒に考えたり、道具や素材選び、加工のお手伝いをしていきます。その中で、建築家の先輩でもあるTAの素材の使い方や、上手な加工の仕方などを学んでいるようで、今日はTAの華麗な作業に、子どもたちから
「こんな風にすると上手に加工できるんだ!すごい!」との声も飛び出しました。
今回は先生やTAによるエスキースが中心となりましたが、完成に向け再度考えていきたい目標は「みんなでひとつのまちを完成させること」です。
今期のテーマである「~とともに」を実現させる上で、他の塾生との「つながり」は非常に大切です。自分の模型だけでなく他の塾生の作業にも目を向け、まち全体が良くなるためにはどうすれば良いのかを話し合うことで、千駄ヶ谷のまちがお互いを思いやる楽しい場所になっていきそうです。