子ども建築塾 前期第9回「アイデアをまとめよう!」

2016年10月04日

みなさま、こんにちは。9月10日に行われた子ども建築塾前期第9回「アイデアをまとめよう!」の授業の様子をお伝えします。

今回の授業の中心はプレゼンボードづくりです。B2サイズよりもひとまわり大きい紙に、子どもたちが思い思いの絵や写真、文字を書いていき、半年間取り組んできた「自分の好きな素材でつくるいえ」をまとめていきます。

授業の始め、アストリッド先生から「みんな人の絵を描いてきた?描いてきた人は手を挙げてね!」と言われ、子どもたちは元気よく手を挙げていました。人の絵、いわゆる添景を今までつくってきた模型に入れることで、より具体的ないえでの過ごし方が見えてきました。

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まずはプレゼンボードに貼る模型の写真撮影です。
「どんな角度で写真を撮りたい?」と聞くと、「私はこの波のところを見せたいから、波と同じ高さで写真を撮りたい!」といった答えが返ってきました。子どもたちは自分たちのいえの魅力を自慢げに話してくれました。いえの内部での過ごし方を表現するために、スマートフォンのカメラを使うなど、工夫もしてくれました。

この日はとても天気が良く、子どもたちがよく話してくれる「光」と「影」が濃く出ていて、きれいな写真を撮ることができました。

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次にプレゼンボードのレイアウトを考える作業に移りました。
どんな素材を使ったか、素材の特徴がどう活かされているか、どんなところが好きかを今までのスケッチブックなどを参考にしながら、構成を考えていきました。

今期のテーマである「自分の好きな素材でつくるいえ」は、子どもたちに硬い素材だけでは建築が成り立たないという実践的なことを気づかせる課題だったようにも感じます。今までの授業で「どうして曲がってしまうのだろう、落ちてしまうのだろう」という失敗を重ねたことは、素材の特徴を学ぶ上で大切なことです。その試行錯誤をプレゼンボードに表現する子どももいて、設計のプロセスの重要性を改めて感じました。

プレゼンボードをつくる際、子どもたちが最も苦戦していたのはタイトルを決めることでした。たくさんのアイデアが詰まったいえをひとことで表すのが難しかったようで、まずは「〇〇のようないえ?〇〇っぽい?」という問いから、素材の触感を擬音・擬態語にしていきました。その結果、「ふわふわ」や「ピカピカ」というキーワードが入り、タイトルを聞いただけで作品を見てみたいという気持ちになれる言葉を考えることができました。

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今日の授業でプレゼンボードが終わらなかった子どももいたので、次回の発表会でどんなプレゼンボードになったのかを期待しています。発表では緊張してしまい、頭の中が真っ白になるかもしれませんが、自分の模型が唯一のカンニングペーパーです。模型を見ながら発表すると、きっと上手くいくでしょう。半年間かけてつくったいえの魅力をお父さん・お母さん、講師の方々・TAに伝えられるまたとない機会を楽しみにしています。

日本大学理工学部建築学科 白尾 仁知