塾生講座 レビュー⑤
10月23日、塾生講座第5回目のレビューが行われました。
今年度の活動も後半戦に差し掛かってきました。今まで考えてきた企画も実際につくってみることが多くなり、社会とのつながりを持ったものづくりの面白さや大変さを実感できるようになってきました。
参道マーケット報告
10月16日に大三島にて開催された参道マーケットの様子を映した映像を観て、内容を確認しました。内部講師を務めている辻さんの参道の花嫁行列や「Shima Jam」という音楽イベント、参道マーケットの賑わいが感じられました。この映像は、10月末から始まるTokyo Design Weekで流す予定です。
参道マーケットの風景
ガイドブックチーム
9月3日に開催された原研哉さんの公開講座でのお話を参考に、「いかに大三島を知らないか」を伝えるガイドブックにするために、自分で書き込んでいけるような冊子をつくろうとしています。3月末の発表に向けて、編集スケジュールを立てていきます。A6フルカラーで1000部の発行を想定しています。大三島のお店や企業や行政にも協力を仰いでいこうと思います。
ガイドブックに付ける大三島の地図のイメージ図
ブランディングチーム
参道マーケットのチラシやステッカー制作、SNSの広報などをお手伝いしました。「大三島参道マーケット」のFacebookページはこちらからご覧いただけます。
また、塩とパプリカ(有機農業)のコラボレーション企画として、塩マッサ(ポルトガルの万能調味料)の試作が始まりそうです。
そして、10月下旬に開催されるTokyo Design Weekでは「建築みくじ」を出品する予定です。その開発経緯を、遠山正道さんが執筆している「味の手帖」に掲載していただきました。
遠山正道さんが「建築みくじ」について執筆した「味の手帖 11月号」
また、11月27日にまるごとイノシシの会を開催し、大三島の柑橘や塩とイノシシを合わせた創作料理を楽しめる会を企画されています。アラクレポークの新マークも、採用に向けて進んでいます。
シルバーハットやスティールハットのマグネットも今後つくりたいと考えています。
ワイナリー休憩小屋・醸造所+オーベルジュチーム
今年はぶどう畑のイノシシ被害を受けて、畑のイノシシ対策を行うことになりました。11月に基本となる全周225mの柵を建てる予定です。そのあと、ワイナリー畑の道沿いの見栄えを考えながら、少し改良をしていくべきという意見があり、現在デザインを検討しています。さらに、青色のLEDや狼の声、唐辛子など、イノシシに効果的な対策を部分的に実験していきたいと思います。
柵を建てるぶどう畑の範囲
10月下旬には、畑で植えているシャルドネ、ヴィオニエ、マスカットベリーAと同じ品種の日本産のワインの味を知る会も塾内で予定しています。
Farm HUBチーム
大阪のレストラン「トラットリア・ニコ」の塩田シェフが、大三島の食材を使ったおいしいシチリア料理のつくり方を教えるイベントを計画しています。タコのマリネ、イノシシのアランチーニ(大きめのライスコロッケ)、島の食材でつくられたパスタ、オリジナルパンのサンドイッチなど、家庭でもアレンジができるシチリア料理のワークショップに向けて準備をしています。
「タベルナ大三島」イベントのチラシ
屋台チーム
参道マーケットのために屋台を一台制作し、実際に活用しました。前回のレビューの講評を踏まえて、車輪を強調し、動かせる感じを出したり、しっかりした天板にしたり、改良を加えました。鉄のフレームは、藤原造船さんの協力を得て制作しました。塗装と組み立てには8時間を要しましたが、フレームを細くしたことで軽くなり、持ち運びやすくなりました。これから大三島みんなの家の前庭に常設し、参道をどうやって活性化するかということを考えていきます。
また、施工スケジュールがギリギリになりがちなので、今後は余裕を持って最後の細かい部分を詰めていき、施工期間を考慮した方が良いという意見もありました。
屋台が使われている参道マーケットの風景
おおみしまーけっとチーム
セコムの流通を使って販路を拡大できないか検討したものの、セコムの利用者は年齢層が高く、料理も手間をかけないので、イノシシ鍋には向かないことが分かりました。企業の流通経路を使うのも利用料が上がってしまうので、価格設定が抑えることができず、まずは自分たちで販売、流通させる方向で考えています。野菜は、鮮度を保って流通させるのが課題です。イノシシ鍋の試食イベントを始めるなど、まずはイノシシの味を知る体験を考えてみてはという意見もありました。
大三島公民館+図書館チーム
現在の大三島図書館は、今治市ではなく指定管理者が管理しているので、指定管理者との連携も必要だということが分かりました。現状では、図書館は学生の勉強場所になっています。一方、公民館の会議室や調理室は、地元の婦人会の集まりで活用されています。そういったことから、本屋の併設カフェのような「キッチンのある交流スペース」として改修していくアイデアが出ました。11月には、図書館の司書さんにお話を伺いに行く予定です。
最後に伊東塾長から「どうやったら塾の活動が自立していけるのかを考えていく必要がある」とコメントがあり、今回のレビューが締めくくられました。
塾生 石井 海