子ども建築塾2023年度 前期第10回「東京遊牧少年少女のいえ」発表会
9月9日(土)に第10回目の授業、前期課題「東京遊牧少年少女のいえ」の発表会が行われましたので、その様子をお伝えします。
心なしか、この日はいつも以上に緊張した表情を見せながらスタジオに入ってくる子どもたちが多く見受けられました。
少し緊張しながらも、子どもたちはグループ順に発表をしていきます。
この課題では、東京という広大な選択肢の中で、「なぜその場所を選んだのか」「その場所から何を見たいと思ったのか」などを中心にプレゼンしていきます。
子どもたちは、自分の案で注目してほしいところをスケッチや写真で表現し、時には模型を使って先生方に伝えている様子が印象的でした。
カラフルな模型を作ったり、自分で実際に模型を使って影のでき方を実験してみたり、動きながら生活する様子を都市に住むイメージと重ね合わせながら案を構想したりと、子どもたちならではの柔軟な発想を垣間見ることができました。
素晴らしい発表がたくさんあり、とても充実した発表会となったと思います。
太田先生からは、「まちの中に過ごすことをイメージできている人が多かった。この課題を通してまちで過ごすことをしっかり考えたことで、誰かに東京のまちのどこに住めと言われても、想像できるようになったと思います。これは一つの能力で、みんなが頑張ってきたからこその一つの成果だと思います。」との講評があり、これこそが前期課題『東京遊牧少年少女のいえ』の一つの到達点なのではないかと考えていました。
一方で、「まちの中で『遊ぶ』ということは考えられていたが、『遊牧』というからには、『牧』の部分、つまりみんなが実際に『生活する』という点まで考えられている案は少なかった。」との意見も…。
確かに、実際にそこで生活することを、よりリアリティを持って考えることが今後の目標であるように感じました。
とはいえ、子どもたちの案はどれも新鮮で、やりたいことが模型に現れているようなものもたくさんあり、とても興味深く発表を聞いていました。
伊東先生からは「東京の住居はどこも同じようなかたちや住み方で、どこか飽きてしまう感じがある。そういう中で、家の外で楽しく過ごすことのできる場所をつくってほしいと思っていた。多くの人がこれをできていたと思う。子どもたちが実際の場所を探してきて、場所を決めてからできたのがよかった。」とコメントされていました。
子どもたちは、自身の体験から得たやりたいこと、見たいものを想像しながら独自の視点で建築をつくり上げようとしていたことが、とても良かったと思います。発表で先生方から指摘された点、お友達の発表を聞いて受けた刺激を後期課題に活かしていってほしいと思っています!
後期はグループワークなのでみんなで力を合わせて良いものを作り上げましょう!
高知工科大学 4年 大湯 弘也