[福岡]2024年度 伊東子ども建築塾 第4回授業
5月26日(土)に行われた伊東子ども建築塾 福岡第4回の様子お届けします。
前回までは個人やグループで風のイメージを膨らませたり、風の表現を探ったりしてきましたが、いよいよ今回の授業では、「風をきっかけに見たことのない家を考えよう!」をテーマに①どこで?②どんな風を?③どのように暮らす?など具体的に設定を考えて、自分の家にタイトルをつけ、イメージを絵や模型などで表現しました。
今年は“風”という抽象的なテーマであるがゆえに、これまでの3回の授業では風の研究に時間を割いて、中間発表直前になって、はじめて“家”について考えます。
講師の先生もTAも今日の授業の進捗が気がかりでしたが、はじまってみると心配無用でした。
図や言葉を手掛かりにする子、言葉数は少なくても絵でどんどんイメージを膨らませていく子、模型をつくりながら考える子などアプローチは様々でしたが、前回選んだ4枚の風の絵を手掛かりに、どんどん作業の手が進み、中間発表用の魅力的なタイトルと絵や模型ができあがりました!
中間発表前ですが、そのうち何人かの進捗状況と作業風景をこっそり!?ご紹介します。
前回選んだ絵から、桜が舞う美しい風と気球のような動く家のイメージをつかんだ子は、日本列島の桜前線を追いかけて、空で暮らす気球型の家を考え、模型にしていました。
気球型の家のかたち自体に大きな特徴はなくても、家が桜を追って動き、そこに同じように桜を追ってたくさんの仲間が集まってくるというストーリーは、「よそから飛んできた他の家とモノや情報などなにかを交換すると面白くなりそう!」「たくさんの家が上空で集まった時にどんなかたちになるのか、考えてみたくなる!」など講師の先生の想像力を刺激するアイデアでもありました。
また、同じく移動する気球型の家でも、季節や場所に応じて風の取り入れ方を変えることで、家自体のかたちが変わるアイデアを考えている子もおり、そのアプローチもとても面白そうでした。
続いてはスケッチからアプローチしている子をご紹介します。
“風の音”というキーワードは、これまでの授業でも挙がっていましたが、彼のイメージでは音楽が風になるのだそうです。
スケッチの色や音符の描き方にも実は意味があるそうで、タイトルは「上空演奏大陸」!!
絵にもタイトルにもオリジナリティを感じますね。今日の授業時間中にもう一枚、この家の内部空間のスケッチを描いています。次回の中間発表をお楽しみに。
続いては、ポジティブな風と暮らす案を考えている子ども達が多い中、風のネガティブな側面との共存にチャレンジしている案をご紹介します。
タイトルは「フィルターの家」で、自身の花粉症の体験からこのアイデアを思いついたとのこと。この絵はあくまでもダイヤグラムで、「どんな場所で、どう暮らす?」の部分をつめていくことで、これからかたちを考えいてくそうです。
「有害物質を取り除いてくれるのはどんなフィルターだろう?」「ほんの少しだけ有害物質も取り入れられる仕掛けがあれば、無菌室のように無機質でキレイすぎる空間になることを避けられるかも」などTAや講師の先生も一緒になって考えたくなる面白いアイデアです。
今後の展開が楽しみですね。
最後に、「メグルめぐる風の家」というタイトルで、カラフルな絵を描いているこちらの案をご紹介します。実は、授業の前半に描いていた彼女のスケッチは以下のような絵でした。
当初は、海の中で風を取り入れながら暮らす家を想像して描いたようですが、TAや巡回する講師の先生から、「もっと見たことのない家が見てみたい!」「風の取り入れ方のほうに着目してみては?」などのアドバイスを受けて、家のかたちがどんどん変わっていったそうです。
周囲の意見を素直に取り入れて、自分のものにしていける柔軟性は、見習いたい限りです。
次回は中間発表ですが、まだ制作の途中段階です。今日の担当TAが次週の発表の際もフォローしてくれますので、伊東先生や講師の先生、ほかの塾生にアイデアを膨らませてもらうつもりで、自分の考えていることやかたちにしたいイメージを思い切ってみんなに伝えてください。
次回もよろしくおねがいいたします。
古野 尚美 (ブログ取材担当)