子ども建築塾2024年度 前期第5回 みんなのアイデア中間発表

2024年07月16日

6月22日(土)に行われた前期 第5回「楽しい屋上暮らし」中間発表についてお届けします。

いよいよ待ちに待った2024年度最初の発表会です!
講師陣やTAが待つ恵比寿スタジオに、元気いっぱいの子どもたちが到着します。今日は、中間発表を見守る保護者の方々や伊東先生もみんなの発表を楽しみに集まっています。

今回のテーマは、『楽しい屋上暮らし』。

立地環境は、見学にいった大塚の住宅街をイメージし、敷地は9階建ての「T型」、7階建ての「L型」、6階建ての「I型」、4階建ての「階段型」と4種の平面形状を持った「屋上」が設定です。どこから太陽が昇りどこに沈むのか、日当たりが良いのか、悪いならどんなことにあうのか、隣のビルとの関係など、それぞれが担当する敷地の特徴を生かしたアイデアを考えました。

さて、一生懸命考えてきた屋上のアイデアを、先生方に発表していきます!先生方のアドバイスは、日頃から「楽しむ」ということ。

みんなの前での初めての発表は、緊張と笑顔とワクワクの中ではじまりました。

持ち時間は一人2分。各グループ毎に発表が行われ、塾生一人一人のアイデアに先生方も真剣に耳を傾けます。それぞれの作品をブラッシュアップするための先生からの真摯なコメントに子どもも大人もない、対等さがあります。

以下に、先生方からの総評をご紹介します。

柴田先生
「自分の敷地のかたちの特徴と、今考えているアイデアのバランスをどうやってとるか。例えば、敷地のくぼんでるところにも出っ張っちゃって良い、応用もあってもいい。自分がそこに何を提案できるのかは、みんなの手にかかっている。今ある敷地のかたちが足かせ・制限ではなくて、どう楽しむかも考えるともっと良い。」

太田先生
「“脱線”を考えるのは良い。例えば、動く家の場合。上から着陸する、エレベーターと一緒に考える。エレベーターを昇ってきて横にそのまま動く(〔例〕イタリア ジェノヴァ)。そういうことも加えて、全体の交通として考えても良いし、壁をつたってきても良い、T字型の横・外を来るみたいなものでもよい。だから、敷地のその特徴を生かしつつ、そこからはみ出すことも同時に考えると面白い。隣の壁に何かのプロジェクションマッピングをやるとか、模型をつくりながら考えると良い。はじめての発表の子が多かったけれども、みんなすごく堂々として良かった。」

アストリッド先生
「はじめてでいきなり、“自由な暮らし”を考える、ということで、どうしようっていっぱい悩んだと思うけれど、今日のみんなの発表を見ると、アイデアも結構柔らかくなっていて、これからどんなかたちになるのか、はたまた、どんな絵本になるのか、今から凄い楽しみ。みんな、ぜひ勇気を持って、カラフルで、楽しい、屋上生活の夢をみせてほしい。」

式地先生
「みんな、凄い夢をいっぱい描いてくれた。だから、模型にするときに難しいって諦めないでほしい。模型で、もっと新しいことが試せることを発見したら、今のアイデアを上書きしてかまわない。そして、構造について。難しいことは言いたくないけれど、モノのかたちとか、立っているもの――例えば、木は、根があって立っているなど――、世の中で成立しているものって、合理的な部分〔=建築でいえば、構造〕、がある。そういうものも参考にできると良い。」

伊東先生
「太田先生の言うように、“距離をとって”も良い。僕も屋上は、“ロマンティックな場所”だと思う。例えば、僕のつくった「シルバーハット」は、ペントハウスみたいな家なので、屋上の方が相応しいと、チェッカーズの『タンタン狸』という映画で、月からやってきた狸が人間に化けて、屋上で生活をするストーリーで使われたことがある。そういうふうに屋上で空を見上げていると、宇宙と繋がっていく、月と繋がっていく、他の星と繋がっていく、そうしたいろんな夢が広がる場所だと思う。屋上に住むということには、もっとロマンがあっても良い。割とみんな現実的にものを考えているから、もちろん悪いことではないけれども、そんな人もいて良い。例えば、絵本を作るようなかんじで「物語」をつくってみてほしいと思う。」


無事、発表会を終え、「先生、さようなら~」と大きな声がスタジオの隅々にまで響き渡ります。

みんなのアイデアの卵が、きちんと大きく羽ばたけるように、先生方との対話をしっかりと消化して、どんどんブラッシュアップしていきましょう!

みんなが夢中になってい取り組んでいる姿勢が眩しい。これからも一緒に楽しんでいきましょう!

次回からは、模型制作。
今回の中間発表を基点として、スケッチからの新たな飛躍に期待しています!
みんな、お疲れさまでした。ありがとう。

TA 廣瀨 喬