子ども建築塾2024年度 前期第10回「楽しい屋上暮らし」発表会

2024年09月25日

9月7日(土)に、前期の最終日となる「楽しい屋上暮らし」発表会を行いました!当日の様子についてお伝えします。

子どもたちは心なしか、いつもよりも静か。保護者の方々、そして伊東先生をはじめとした先生方全員がスタジオに集います。緊張しないわけがありません。

つくってきたプレゼンボードの手直しをする子、家でつくってきた小さな人や家具の点景を模型に追加したり、微調整をする子。子どもたちはみんな、大忙し。TAの手助けも借りながら、発表直前になんとか完成させます。

4月からの授業で考えてきたアイデアや模型制作の集大成となるこの日。これまでグループ内で個人作品を作り上げてきましたが、最後の発表は一人で成し遂げなくてはなりません。ドキドキしながらも、子どもたちの目は輝いているように見えます。

屋上ってどんなところだろう。どんな使われ方をされるのが気持ちいいのだろう?

アストリッド先生の考える屋上の使われ方についてのレクチャーからはじまった前期の授業。伊東先生の設計した建物についての説明からもインスピレーションを受けながら、子どもたちは計10回の授業の中で解を見つけ出します。屋上の持つ意味や理想像、周囲とのかかわり、そして建築のスケール感までを検討しつつ、自身の作品として発表する、またとない機会です。

発表がはじまりました。初回の授業でのアイデアからの紆余曲折を経て努力を結実させた子どもたちや、自身の体験談を基に、屋上というかたちに落とし込んだ子どもたちも。一人ひとりの考えた「夢」の光る作品が一堂に会します。

模型やスケッチの一部分を抜き取っても、そこには彼らなりの思いが詰まっていて、独創性が際立ちます。

アストリッド先生、伊東先生からは、「君たちが今抱いているその夢を忘れずに生きていってほしい」とのアドバイスが。夢は年齢を重ねるにつれて描かれることがなくなってゆき、現実に呑まれてしまうのだそう。だからこそ、これからも夢を描き続けることが重要だとお二人の先生方は説きます。

彼らの作品には、曲線を多用した、建築の自由さが見られることもしばしば。四角くないからこそ生まれる余白。このスペースを如何にして活用していくかは彼らの手腕にかかっています。「そうして生まれた余白の使い方に、一人ひとりのこだわりが詰まっている。すなわち余白こそ子どもたちの努力の結晶なのだ」と、最後に柴田先生はコメントしていました。

先生方からは、時に厳しい批評が飛んでくることも。アドバイスを受け止めつつ、更なる成長に期待します。

後期からは、いよいよグループ設計がはじまります!皆さんの次なる作品が一体どんなものなのか、今からワクワクが止まりません。

早稲田大学2年 鈴木瑠之輔