子ども建築塾 2025 年度 前期第 4回 みんなのアイデア中間発表

2025年06月27日

6月7日(土)に行われた、前期第4回授業の様子をお伝えします。

今回は前期課題『風とともにくらすいえ』の中間発表会です。今までの授業の集大成がつまったスケッチブックを抱えながら子どもたちがやってきます。

授業がはじまる前に子どもたちとTAが発表の仕方を話し合っていました。自分が考えてきたアイデアを先生方にしっかり伝えるための作戦会議はバッチリそうです。

発表観覧席には保護者方の姿も、一部の子どもたちはちょっぴり緊張しているかも?
でも授業がはじまるとみんな集中して話を聞きはじめました。

はじめに、アストリッド先生から全体に向けて改めて課題の趣旨などについて説明していただきました。

いよいよ発表がスタートです!
これまで作業をしていたグループごとに子どもたちがそれぞれ発表を行い、グループ全員の発表後に先生方からフィードバック・コメントをいただきました。

子どもたちの発表は主にスケッチブックに描かれたイラストを示しながら行われます。

そして、子どもたちの中には小道具を使ったプレゼンテーションを行った子もいたりと、たいへん盛り上がる発表会になりました。

以下、先生方の総評の内容を抜粋して紹介します。

柴田先生
「自分の体がスケッチブックに入れるくらい小さくなったと想像してほしい。そして自分がスケッチブックに描いたいえの中に入ったとすると、そのいえで風をよく感じられるか考えてほしい。“外”から考えるのではなくて“内”から考えることが大切。実際に自分のスケールの点景をつくってスケッチの上で動かして見ても良いかも。」

太田先生
「全体的な印象として、みんな風を甘く考えているのではないかと感じた。風力発電とともにくらすいえという提案がいくつかあったが、そんな簡単に風をコントロールすることはできない。この中間発表はそれぞれの提案を発展させていく分かれ道であるから、ここで改めて“風とともにくらす”とはどういうことなのかを掘り下げてほしい。」

アストリッド先生
「“風が気持ち良い場所”をつくってほしい。例えば、みんなのいえの中で一番気持ち良い場所がどこか考えてほしい。そして、その場所に強い風、弱い風は吹いたらどうなるだろうか。3階、5階建ての建物も良いけれど、一つの“風が気持ち良い場所”について考えてみても良いかもしれない。」

式地先生
「大学生にも言えることだけれど、様々な機能を入れてそれに対して階数(室数)を増やすことで解決しようとすることをやめましょう。そのかわりに、一つでも良いから風を感じて気持ち良い最高の場所をつくってください。」

伊東先生
「多くの子どもたちは建築を頭で考えてしまっている。僕ら建築家でも、頭で考えてしまうとつまらない建築ができてしまう。感じなくちゃいけない。僕が建築を見に行って、その建築が面白いと思うのは建物に入った途端に設計者が感じていることが表現できている時。頭で考えていることは大体わかってしまってしまう。自分で感じたことは人それぞれで違うはず。だからこそ、自分で感じたことを素直に絵にしてもらえれば、それで本当に面白くなる。そのことをみんなには感じてほしい。」

次の授業では、中間発表で先生方からもらったコメントを踏まえてそれぞれのアイデアをブラッシュアップしていきます!

“かたち”にとらわれずに“風を通じてどのような楽しい体験ができるか”を大切にもっともっと面白い提案にしていきましょう!

工学院大学 修士1年 依本晃希