子ども建築塾 前期第4回

2012年07月07日

 

皆様こんにちは。千葉工業大学大学院、橋本都子研究室 修士2年の野坂京子です。

子ども建築塾第4回目の6月30日は、「おおきさについて考える」をテーマに、
「いえ」の中のさまざまなモノの大きさについて考えました。

はじめに、次週見学に行く藤本壮介さんが設計したHouse NAについて説明した後、
TAのみなさんの指導のもとHouse NAの図面をトレースします。

子ども達の住みたい「いえ」にある部屋やモノはどんな大きさなのか、
今日はそのことを頭に入れながら授業を進めます。

 

House NAはどんな「いえ」?

House NAは壁がほとんどガラスで、いろいろな大きさの部屋からできています。

子供たちには図面(1/100)、模型(1/50)、写真を交えながら説明をしましたが、
はじめて見るガラスの「いえ」に子ども達は驚きを隠せません。

『どうして透明なの?』『なかに何人住んでるの?』『ここはなんの部屋?』というように質問の嵐が起こります。

『来週は実際に見に行けるからね~』との先生の声に子ども達もわくわくしています。

 
© Manami Takahashi
 

いろいろな大きさを知ろう ①House NAをトレースしてみよう

House NAに興味津々となったところで図面のトレース作業に移ります。

まずは、子ども建築塾をお手伝いしていただいている建築家の柴田さんから製図道具についての簡単なレクチャーがあり、
つぎに子ども達用につくられたトレース用図面(A3用紙2枚)の上にトレーシングペーパーを置いて、線をなぞります。

トレース用図面には正面立面図・断面図・平面図が1/50の縮尺で書かれており、子どもによってトレースする図面の順番は異なるようでした。

三角定規を巧みに使い、いつもより集中して直線・平行線を引いていく子ども達の姿は建築家のようです。

 
© Manami Takahashi
 

いろいろな大きさを知ろう ②人や家具をおいてみよう

トレースした図面の上に、鉛筆で人や家具を描きこみます。

人や家具が1/50,1/100で記載されているプリントを参考に、子ども達は自分や家族を描いていきます。

中には1/50の猫を親猫とみたて、1/100の猫を子猫として描く子どももおり、縮尺の違いを利用して工夫しながら描きこんでいるようです。


© Manami Takahashi
 

いろいろな大きさを知ろう ③「いえ」と外のつながりを考えてみよう

トレースを終えて、子ども達にHouse NAのどの部屋に行きたいか尋ねます。

子ども達は『一番高い部屋からまわりの景色を見たい』、『部屋をぐるっとまわりながら外を眺めたい』、
『全部の屋上に行ってみたい』とHouse NAならではの特徴に興味を持っているようです。

中には図面の中の本棚を見つけて『本棚があるからこの部屋に行ってみたい』、
『車が好きだからガレージを見たい』と、自分の趣味に近い部屋も気になるようです。


© Manami Takahashi
 

来週はいよいよHouse NAの見学会です。

House NAは図面を見る限りとても複雑そうな気がしますが、
実際に体験することでスペースごとの用途は自然とわかるように計画されています。

トレースした図面の部屋の中を見た時、子ども達はなにを体感するのでしょうか。