塾生限定講座 夏期合宿(3日目)

2013年08月15日

7月22日、夏期合宿3日目は、愛媛県今治市内に移動し、伊東塾長が審査員として参加した「今治市みなと再生事業」について概要や経緯、目指していることなどをレクチャーしていただきました。
ご説明いただいたのは、今治市市街地再生課の森聖二課長補佐と、今治市中心市街地再生協議会みなと部会(ICPC)代表の友田康貴さんです。

5336Photo:Manami Takahashi 

みなと再生事業は、平成19年から始まっていて、《「交通」のみなとから、「交流」のみなとへ》というコンセプトのもと、建築家の原広司氏・西沢大良氏・金箱温春氏の設計により計画が進められています。

建築物としては、市民が使う多目的ホールや展望デッキなどを併設した、「みなと交流センター(仮)」が創られます。また目玉としてみなと再生区域を横断する600mのコンコースも創られます。みなとは船の発着だけでなく、そういった市民の人たちに広く開放した施設や公園などもつくられ、多くの人が集まり交流する場として計画されています。

 現在、実施設計が終わり、インフラ整備中とのこと。みなと交流センター(仮)は平成26年より建設へと入り、約1年半かけて完成を目指しているとのことです。

5343Photo:Manami Takahashi

このプロジェクトの中で、ICPCの皆様は、どうやってみなとに人を集め、活性化させるかということを、ソフト面から考え活動している団体です。
音楽祭や、アートに因んだワークショップの開催などを既にみなとで始めていて、新しくなるみなとで活動してくれる仲間(キャスト)の獲得に努めておられます。
そのようにしてみなとが活性化することが、人と島と未来とをつないでいくのだと思います。

5376Photo:Manami Takahashi

今回の皆様のお話は、自分たちが愛している今治を、皆で楽しい活気あるまちにしていくのだという思いが手に取るように伝わり、その真剣さに心打たれ、色々と考えさせられる貴重な機会となりました。

5392Photo:Manami Takahashi

午後は、今治市内の丹下建築の見学を行いました。
今治市は巨匠・丹下健三氏の故郷の為、多くの丹下建築があります。
地元在住の建築家・青陽孝昭さんにご案内いただきました。

まずは、市庁舎・公会堂・市民会館を見学。3つの建物が同じ敷地内にあります。

5421Photo:Manami Takahashi

3つとも約50年前のコンクリート建築ですが、近代建築らしい建物で、時代の趣を感じます。
今治市庁舎本館の議場内部は、高い天井にどっしりとした厚みのコンクリートの梁が力強く存在し、その確固たる厳格な空間をつくりあげていました。

5442Photo:Manami Takahashi

続いて愛媛信用金庫今治支店。
こちらもコンクリートの質感があらわに表現され、また格子状の外観と、まるで浮いているかのような屋根が特徴的でした。

 以上で2泊3日の合宿はあっという間に終了。
3日間を通して、建物だけでなく、地元の人々や歴史、自然、環境などに触れ、様々な角度から学ぶことができた、充実した合宿となりました。
このような日々を送ることができたのも、この合宿で関わり、お世話になった全ての方々のお陰です。
本当に感謝を致します。ありがとうございました。

塾生 松村洋美