子ども建築塾 前期6回「模型をつくって考えよう!②」
みなさま、こんにちは。東京大学大学院 村松研究室 修士2年の神谷彬大です。
6月28日、子ども建築塾 前期6回目の授業を行いました。今回も前回に引き続き、自分のアイデアを模型にして表現していきます。
スタディ模型をつくって考えよう!
授業の前に、あらためて太田先生から「今日は本番の模型をつくるのではなく、自分が考えている空間がどのようなものかイメージできるような、実験のための模型(スタディ模型)をつくるんだよ」と確認がありました。たくさんの模型をつくり、その中に入った気持ちで実際にどのような空間ができるのかを考えていくと、スケッチだけでは気付かなかったことがどんどん見えてきます。柱の位置や立て方を変えてみたり、いろんな素材を試してみたり……子どもたちは試行錯誤しながら、少しずつイメージを膨らませていきました。
私の担当する「火のようないえ」のグループでも、模型をつくりながら思いもよらない空間ができることを発見したり、たまたま持ってきた模型材料が意外なところに効果的に使えることがわかったりと、今まで考えてきたイメージを授業の中でどんどん発展させていくことができました。
ほかの人の模型も見てみよう!
1時間ほど授業が進んだ頃、グループ内で途中経過を発表することになりました。自分の作品をつくることばかりに集中していると、どうしても周りが見えなくなってしまいがちです。ほかの人に作品を説明したり、ほかの人の作品に意見を言ったりしながら、自分の作品を客観的に振り返っていきました。
私たち「火」のグループでは、ある子の作品に対し「どこが“火”のイメージなのか、よくわからない」という意見がほかの子から出ました。この意見を受けた子は、「火のようないえ」を表現するためのはっきりとしたコンセプトを持ってはいたのですが、それが伝わりにくい模型になっていたことに気づき、模型の素材やつくり方を少し変えることにしました。また、たくさんのスタディ模型をつくりながら考えていた子は、グループ内の全員から「どれが一番良いか、なぜ良いか」を聞くことができました。
グループ内での発表が終わったら、今度は席を立ってほかのグループの作品を自由に見に行きます。各グループ、ユニークな素材を使っている子がいたり、自分たちのグループにはないつくり方や考え方で空間をつくろうとしている子がいるのを見て、子どもたちは大きな刺激を受け、自分の作品に応用できないか考えていました。
先生方にも意見をもらおう!
さて次回は、伊東先生たちが各グループを見て回り、意見をくださるそうです。前回の伊東先生のコメントに重ねて、太田先生も「面白くないものは面白くないとはっきり言います」と厳しくおっしゃっていましたが、もしかしたら自信を持ってつくったのに、先生方は「う~ん」という顔をしている……ということもあるかもしれません。しかし一方で、失敗したと思っていたものや自分ではあまり好きではないと思っていた案に先生方が目をつけてくださり、そこに隠されていた「良い作品になるためのヒント」を導き出してもらえるかもしれません。だからこそ今回のスタディ模型は大切です。たくさんのアイデアやパターンを出せるほど、先生方の心に触れ、ちょっとしたアドバイスで案がさらに良くなる可能性が高まります。次回以降、各自の案はどんな風に展開していくのでしょうか。もしかしたらまったく想像のつかない方向に発展していくかも……とても楽しみです!