塾生限定講座「ぎふメディアコスモス・瞑想の森市営斎場」レクチャー

2014年07月09日

4月25日、伊東豊雄建築設計事務所の東建男氏を講師に迎え、5月に開催される岐阜ツアーの訪問先となる「みんなの森 ぎふメディアコスモス」と「瞑想の森 市営斎場」についてのレクチャーが行われました。

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「みんなの森  ぎふメディアコスモス」は、外部環境や景観、眺望等、建築物としての機能だけではない、“都市に開かれ、都市全体へ波及する広場”の一施設として構想された建築です。

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植栽計画や周辺広場での動線、金華山を仰ぐ眺望など、まちやランドスケープの関わりを具体的に表現している建築だと感じました。「にぎわいのあるまちのような建築」「大きな家の中に小さな家がある」「それぞれの場所や活動に応じた快適さを実現する」をコンセプトに、並木テラスや金華山テラス、1階のギャラリー等でまちのにぎわいを実現し、2階の図書館部分のグローブは、まさに家の中の家の様であり、環境計画によって“それぞれに応じた快適さ”を実現しています。

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レクチャーで解説されたコンペ案作成から実施設計、施工開始後の現地スタッフの方々のご苦労など、通常では伺うことのできない設計のプロセスや想像をかたちにしていくお話は、設計を専門としない私にとって実に興味深いものでした。施工監理技士として公共建築に関わったことのある私にとっては、実施設計が完了し、建築工事が始まってからもスタディを繰り返し、設計・仕様変更を行いつつ施工が進められていることを知り、とても意外に思うと同時に、時間を許す限り、より良い建築を求めていく伊東事務所の皆さんの姿勢に感銘を受けました。

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「瞑想の森 市営斎場」は、「ぎふメディアコスモス」の話が延長したため、若干コンパクトな解説となりました。私の出身は福岡なのですが、完成当初から現在まで何度も訪れている「ぐりんぐりん」とどこか似ていると以前から思っていました。しかし配布資料を見ると、「ぐりんぐりん」とは似て非なるものだということが分かりました。

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自由曲面シェルの大きな屋根は後背の里山と調和し、前面の溜池に沿うように配置され、施設を利用する人の動線を十分考慮して配置された平面計画は、斎場としての機能を十分に果たしているように感じました。早く実際の建築をこの目で見たいと思い、2週間後に行われる岐阜ツアーへの期待をよりいっそう膨らませることができました。

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今回の講座においては、レクチャーそのものはもちろんですが、伊東事務所の東氏が当日会場にお持ちくださった多くのスタディの過程や施工図面、仕様変更書等、膨大な資料を拝見しながら、マンツーマンに近いかたちでの質疑応答が大変参考になりました。

完成している/していないにかかわらず、現実に存在している建築の姿を一刻も早く現地で見て、感じたい。ツアーへはやる気持ちを押さえがたくなるレクチャーとなりました。貴重なお話をして下さった東さん、ありがとうございました。

塾生 大崎雅洋