子ども建築塾 後期3回「まち探検の発表をしよう!」

2014年12月02日

こんにちは。早稲田大学2年、TAの成田美沙樹です。
11月22日の授業では、前回の千駄ヶ谷でのまち探検で発見したものや分かったことを発表しました。「植物」「生き物」「まちなみ・建物」「人」「水」それぞれのグループが、他のグループがどんなものを見てきたのか、全体で共有することができました。
IMG_6783

はじめに村松先生から今回の授業の流れを説明していただきました。大きく分けて4つあります。まず、前回のまち探検での写真を見返し、気に入った写真をしおりに貼り付けて完成させること。2番目に、探検で気づいたことを絵や文でふせんに記すこと。3番目は、1/500の千駄ヶ谷の敷地模型にふせんを貼って、探検結果や写真と一緒にみんなで千駄ヶ谷の情報をまとめること。最後に、今日の発表で得た情報、そしてまち探検での発見を思い出しながら「まちの建築」のアイデアをスケッチブックにまとめること。
これらの4つを時間内に進めるのは大変でしたが、子どもたちもよく頑張りました!

CIMG6231
はじめに、机の上に広げられた、前回の千駄ヶ谷でのまち探検の写真の中で自分が気に入った写真をそれぞれ探しました。「富士塚が良かった!」「銭湯が楽しかったなー」と、目をキラキラさせて話す子どもたち。村松先生やTAは「どんなところが面白いと思ったの?」と子どもたちに問いかけ、具体的にどういったところを面白いと感じたのか、なぜ印象に残ったのか、という理由を明確にします。
IMG_6777
次に、それぞれ気になったところや面白かったところを絵や文でふせんに記入します。TAと話し合い、村松先生からもアドバイスを受けて、たくさんのふせんを書く子もいれば、一枚一枚を入念に書く子と、様々でした。どうやら子どもたちだけでなく、村松先生やスタッフ、TAもふせんを書いているようです。
CIMG6282
ふせんの記入が終わったところで、千駄ヶ谷の敷地模型に貼っていく作業を行います。はじめに、村松先生から「敷地模型とは何でしょう?」という質問がありました。敷地模型とは、土地全体を把握するための模型、つまり千駄ヶ谷を俯瞰して見ると、どんな場所があって、どのような地形になっているのかな、ということを分かりやすくするための模型です。次に「この模型の縮尺は何でしょうか?」という質問もありました。これはちょっと子どもたちには難しかったようです・・・正解は1/500です。私たち人間の大きさが、模型の中では2〜3mmということを考えてみると、スケールの大きさが分かると思います。

CIMG6268
続いて一グループずつ、自分たちの班はどのようなことをテーマに千駄ヶ谷を歩いてきたか、そして一人ひとりがふせんに書いたことについて発表しました。千駄ヶ谷に一つだけある五叉路は「星みたい!」という声があがりました。村松先生は「牛が衣服を着ているのがおもしろい」と、子どもが撮った写真を指差しました。
P1030055
「水」グループは「銭湯では水は流れていないけれど、水が使われているよ」というコメントが、「植物」グループは「植物に造花を足して華やかにしている鉢植えがあったよ」という発見も。「人」グループから「能楽堂に着物を着た人がいた」という報告があると、村松先生から能楽堂ではどんなことが行われるのかご説明いただきました。子どもたちへの質問も同時に行われ、「人」グループには「いろんな人がいることは分かったけど、千駄ヶ谷での人の流れってありましたか?」という質問が。「植物」グループには「みんなが目をつけたのは植物があまりないところだけど、どうしてですか?」という質問もありましたね。たくさんのコメントや質問が飛び交い、次回の千駄ヶ谷のまち探検では、前回とは違った目線でまちを観察することができそうです。
最後に村松先生や、TA、スタッフが気になったポイントを貼ってもらい、千駄ヶ谷の敷地模型がとてもカラフルに仕上がりました。TAからは「つたハウスが二つあり、一つは枯れていて、もう一方は生き生きしていた」「ハチ公バスは犬が走っているようにも考えられる」といった面白い発見を教えてもらいました。自分たちのグループが知らない千駄ヶ谷の魅力がよく分かったのではないでしょうか。
CIMG6290
最後にスケッチブックをひろげて、千駄ヶ谷につくりたい「まちの建築」のアイデアを絵や文でまとめました。TAと一緒にアイデアをさらに掘り下げる子、新たな案を描き始める子もいました。まだアイデアが決まっていない子もいると思いますが、焦らず進めていきましょう。アイデアが固まった子は、どんどん細かいところも考えていけると良いですね。

次回の授業では、「まちの建築」の敷地を決めるため、再び千駄ヶ谷のまちに繰り出します。今回の授業を経たおかげで、前回の探検とはまた違ったまちの見方ができるのではないでしょうか。村松先生が「今までに見たこともないような、面白いものを考えてね!」と仰っていました。これからの子どもたちの制作が、とても楽しみです。