塾生限定講座 大三島合宿(1日目)

2015年05月17日

4月19日に2015年度塾生が初めて顔合わせを行った開講式に続いて、5月1日からは早速、今年度の課題の舞台となる大三島にて合宿が行われました。初日は、福山駅に集合した後、グループごとにレンタカーに乗り込み、最初の見学場所であるONOMICHI U2へ移動しました。
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ONOMICHI U2
ONOMICHI U2は建築家の谷尻誠さんが設計し、リノベーションした倉庫にレストランやショップ、Bar、自転車の持ち込みができるホテルが集まった複合施設です。到着後、館内を見学し、THE RESTAURANTにて昼食をとりました。食後はONOMICHI U2の吉田挙誠さんが、HOTEL CYCLEの案内をしてくださいました。汗をかいてこの場にやってくるサイクリストたちを迎えるのは、程よい空調の中に置かれた扇風機の心地よい風です。部屋に入ると浴室が充実していて、バスタブに温かいお湯を張り、ゆっくりとつかりながら旅の疲れを癒せるのではと感じました。リビング、ダイニングのスペースをパブリックスペースに配し、客室は休息を重視している印象を受けました。
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足早に客室を見て回った後、呉市忠海港までさらに車で移動し、フェリーに乗船して大三島へ向かいました。
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盛港で大三島に上陸し、再び車で今治市伊東豊雄建築ミュージアムを目指しました。
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今治市伊東豊雄建築ミュージアム
念願叶っての訪問となった今治市伊東豊雄建築ミュージアムの眼下には、穏やかな海が広がっていました。まずはシルバーハットにて、伊東塾長、今治市伊東豊雄建築ミュージアムの山田安紀さん、伊東豊雄建築設計事務所の近藤奈々子さんからミュージアムについてのレクチャーがありました。半屋外になっている元リビングには心地よい風が通り、暮れゆく空の色を眺めつつ、室内に入りました。そこに並ぶ設計図書や大橋晃朗さんがデザインした家具は、非常に貴重なものばかりでした。どこからかウグイスの鳴き声が聞こえ、室内や半屋外、外部空間ということを微妙に意識の中で行き来させてくれているようでした。もちろん、視覚的にも同様に感じさせるものがありました。
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次にスティールハットを見学しました。2010年に東京国立近代美術館にて行われた「建築はどこにあるの?7つのインスタレーション展」のときにスティールハットの計画を知り、実物を是非見たいと思っていました。隣接する農地から差し入れされたレモンが出迎えてくれた館内は、大三島のことがいっぱい詰まった空間でした。垂直ではない壁に囲まれた空間の心地よさが、展示物の見え方をより印象的にしているようでした。
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バーベキュー
ミュージアムを見学後、元々小学校の校舎だった、宿泊場所の「大三島ふるさと憩の家」に移動しました。各自、身支度を終え、元校庭の広場にて住民の方と交流しながらバーベキューを行いました。地元の方々が磯のものやお肉など、たくさんのごちそうを焼いてくださいました。中でも牡蠣は絶品でした。そして、大三島の地域のことや関心ごとなどを、いろいろと伺うことができました。
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夜塾
伯方の塩 大三島工場に併設された入浴施設「マーレ・グラッシア」にて入浴後、憩の家に戻り、夜塾が始まりました。今年度の塾生限定講座で取り組む3つのテーマをもとに翌日のグループ分けを行い、グループごとに島内リサーチの行動計画を練りました。

天侯に恵まれ、大三島への船でのアプローチをはじめ、いくつもの新しい体験ができた初日となりました。

塾生 粟野寿朗