子ども建築塾 後期第1回「渋谷川と仲良くする建築とは何だろう?」

2016年04月14日

みなさま、こんにちは。
10月17日、いよいよ後期「まち」の授業が始まりました!
恵比寿スタジオで行われた授業の様子をお伝えします。

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後期の授業の大きな流れとしては、恵比寿に流れる渋谷川沿いの「まち」を探検することから始めて、自分で敷地を選び、そこに「渋谷川と仲良くする建築」を設計します。
最後には「川」と「まち」や「人」が仲良くできる、そんな渋谷川に沿った「まち」を完成させます。

今日の授業では、はじめに、あみだくじでグループを決めました。
後期の授業は、前期の授業から少し変わって、グループワークで行う授業がたくさんあり、「まち」の探検もグループ毎に、それぞれのエリアに分かれて行います。
設計もグループの友達と一緒に同じ敷地で提案してみるのも良いかもしれませんね。

「川」ってどんなもの?
続いて、田口先生からレクチャーしていただきました。
はじめに、子どもたちが夏休みの宿題として撮ってきた、住んでいる場所の近くを流れる川や、旅行先で出会った川の写真についてひとりひとりに説明をしてもらいました。
すると、川にはそれぞれの特徴があることに気づかされました。

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都心に流れている川は、どこか窮屈そうで川底がとても深く、近くを高速道路が走っている風景などが特徴的です。中には、川沿いの桜並木がとても魅力的なことで、周りに人のにぎわいが生まれていたり、ランニングをしている人がいたり、川にはカモや魚が泳いでいるところもあるようでしたが、それでもやはり「川」と「まち」「人」は遠いように感じます。

では、都心から離れている川はどうでしょうか。
川幅がとても広くて、ひらけた河川敷には野球場などがあったりします。
昔は汚くなってしまっていた川も、今ではとてもきれいになって、アユや鳥の姿が戻ってきているようです。先ほどに比べれば、「川」と「まち」と「人」は近いように感じるのではないでしょうか。

そのほかにも、水門や堰に注目して説明してくれたり、川の歴史を教えてくれたり、上流のまだ細くてきれいな川を観察してきてくれる子もいたり、南アフリカで見てきた川を紹介してくれる子も!(カバやワニがいたそうです。いいなぁ、、)。
みんな、いろんな視点で観察していることに感心するばかりです。

では、そんないろんな「川」の特徴を参考にして、「川と仲良くなる」ためにどんな建築を考えればよいのでしょうか。

「川」の周りを見てみよう!
田口先生は、使われなくなってしまった小学校の校舎などの、地域の人たちの思い出や歴史がいっぱい詰まった「建物」と「人」を仲良くさせる仕事をしています。
『つねに、周りを見ること、仲良くなる相手だけを見てはいけない』という言葉は、その経験をもとにした、子どもたちへの大切なアドバイスでした。今回でいえば、「川」だけを見ていてもダメということです。
そこで、先生から、広くは東京から恵比寿までの地形や歴史、建物の建ち方などを古地図や地形図、航空写真や昔の写真などをもとにして、「渋谷川の周り」の解説をしていただきました。

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アイデアを書き出してみよう!
レクチャーを終えて、つぎは、手を動かしながら考える時間です。
グループに分かれて、渋谷川と仲良くするためのアイデアを付箋に書いて、大きな紙に貼りだしていきます。
たくさんのアイデアは付箋をはみ出して、直接大きな紙に描かれるようになり、みんなで協力して描いたアイデアの詰まった川の絵が完成しました。

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最後には、グループごとに描いた川の絵について、先生とみんなの前で発表し、子どもが遊べるような小さくて浅い川を引き込みたい、滝をつくりたい、夜の暗い川を明るくしたいといった、たくさんのアイデアが出てきました。
前期の「いえ」の授業で『動物と仲良くなる』ために考えてきたことと同じように、そこからもう少し仲良くなる相手を増やして、「川」だけではなくて、その周り、例えば「人」や「まち」と仲良くする建築を考えてみてほしいと思います。

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次回は、まち探検です!
今日の授業で学んだことを大切に、探検から何か新しい発見ができることを期待しています。

明治大学大学院修士1年 門間翔大