大三島ライフスタイル研究所 めがね椅子リフォームワークショップ(1日目)

2017年11月14日

9月23日・24日の2日間、今治北高等学校大三島分校の高校生たちと、大三島公民館にある古くなった「安楽椅子」(通称:「めがね椅子」)(坂倉建築研究所デザイン、天童木工製作)をリフォームするワークショプを開催しました。この企画は、大山祇神社参道を活性化させるための提案の一つで、今治市大三島公民館の活用促進やものの大切さ、ものづくりの楽しさに触れてもらうために、昨年度の公民館チームで提案し、大三島公民館や大三島北高等学校大三島分校、島の方々にご協力いただきながら実現しました。

1日目は、家具デザイナーの藤森泰司さんと石橋亜紀さんをお招きし、めがね椅子に大洲和紙を貼るワークショップを行いました。

まずは、藤森さんのショートレクチャーから始まりました。椅子の歴史のクイズやご自身が携わってきた家具、奈良県吉野町立吉野中学校の地域産材でつくる机のプロジェクトなど、家具デザインのおもしろさ、ものづくりの楽しさについてお話しいただきました。

その後、全員で屋外の駐車場へ出て、いよいよ和紙貼りのワークショップが始まります。

今回の仕上げ材に使用したのは、愛媛県内子町にある天神産紙工場でつくられた大洲和紙です。

今年の6月に愛媛県内でつくられている手漉き和紙を探しに内子町を訪ねました。そこで色々とお話を伺いながら、めがね椅子に合う和紙を特別に漉いていただきました。


天神産紙工場の内観

事前に既存の布地やウレタンを綺麗に剥がしためがね椅子に、エッジ部分の補強用のために、障子紙のような薄手の和紙を下地として貼りました。高校生たちもめがね椅子の曲面に沿って丁寧に貼り付けていきました。

座面や背面などは大きめのかたちに和紙をカットし、貼り付けていきました。

下地の和紙を貼り終えた頃にお昼を迎えました。ランチは、大三島の自然を守る会の皆様にご協力いただき、島のお母さんたちがつくった古代米入りのカレーライスとおはぎ、蜜柑ドレッシングのサラダをおいしくいただきました。

午後からは、天神産紙工場の渡邉真弓さんもワークショップに加わり、一緒に作業をしていただきました。

仕上げ用の和紙を掌くらいの大きさにちぎり、少しずつ重ねながら貼っていきました。めがね椅子は見た目以上に表面積があり、貼る作業には予想以上の時間と体力を要しました。

分校生たちはとても器用で、几帳面に仕上げていきました。誰一人と諦めず、自分の椅子が終わったら隣の仲間を手伝います。うまく協力し合いながら、なんとか1日目のワークショップを終えることができました。

小迫 欣弘