子ども建築塾 後期第5回「みんなのまちの地図をつくろう!」

2018年03月27日

12月16日、後期第5回の授業は前回の中間発表の様子を踏まえ、当初の予定を変更し「みんなのまち」の地図をつくりました。後期の課題は5つのエリアに敷地が分けられ、グループごとに別のテーマが与えられていますが、今回の授業ではその垣根を超えて、各グループが5グループ全体の「みんなのまち」について考え、地図を完成させました。

子ども建築塾では、以前から後期は「まち」をテーマに授業を行っていますが、自分のグループだけでなく、5グループ全体の敷地について1日じっくり考えるというのは初の試みでした。また、机、椅子を使わずに、床に敷かれた台紙の上の白地図にみんなで向かうという新しい光景も生まれ、初めて尽くしの授業でした。

全グループの敷地内を南北に通っている坂道を「みんなのみち」、その両端の東西に通っている道路を標高の高さから「上のみち」、「下のみち」と名づけました。課題として設定された全グループを通るように設置する「水路」と「みんなのみち」を中心に、まずは「みんなのまち」について考えました。子どもならではのまちに対するファンタジーを広げ、かつそこにはどのような人や動物、植物が存在するのかを考え、具体的な「空想のまち」を描くことを目指しました。

私が担当しているEグループでは、水路をスズランテープで、想定した人物像の行動を麻ひもで表し、地図に貼りながら話し合いを進めました。Cのグループのハチミツ工場の提案から、ハチミツを買いに来た人を想定したり、「本を読む」がテーマのDグループで本を借りて、「休む、くつろぐ」がテーマのEグループで本を読む人を想定したりしました。人のたまり場となりそうなところでは、スズランテープを割いて水脈を分離させるなど、平面上でも模型のように手を動かしながら考えていました。

授業の最後にはグループごとに「みんなのまち」の地図を発表しました。各グループオリジナルの水路がつくられており、意外にも「みんなのみち」に沿わせて水路をつくったグループはいませんでした。この水路により、「みんなのみち」に加え、新たに「みんなのまち」の軸となるものができたので、それぞれの軸からどのような影響を受けるのか、与えるのかを考えながら「みんなのまち」の空想を広げていければ良いなと思います。

「知らせる」がテーマのAグループから看板やお知らせを水路の水に流し、Eグループまで伝える案や、水路の水を利用して花を育てる花のブーケの施設、水の流れ自体を音楽にするコンサート広場、水路やみんなのみちに架かる点在する本棚、水の時計塔など、様々なアイデアが発表されました。

「みんなのまち」を訪れる人だけでなく、この敷地周辺に住み、「みんなのみち」を通学や通勤として日常的に利用する人の動きも忘れずに、次回各グループの「みんなのまち」の地図を一つの地図にまとめましょう。

初めて尽くしで始まった、後期の後半授業ですが、次回どのような「みんなのまち」の地図ができるのか楽しみです。

日本女子大学住居学科4年 下田彩加