子ども建築塾 後期第6回「みんなのみちに名前をつけて、まちの地図を完成させよう!」
みなさん、こんにちは。昨年12月23日に行われた子ども建築塾後期第6回の授業の様子をお伝えします。
前回の授業では改めて敷地全体を俯瞰し、「みんなのまちの地図」を考えましたが、今回の授業の前半はグループごとにグループ内の敷地の地図について考えることから始まりました。前回の授業で考えた「みんなのまちの地図」から、敷地全体を通る水路の位置が決まりました。水路の幅は約150㎝、深さは約20㎝。イメージとして、飛び越えることはできない幅で、泳ぐことはできないけれど立って遊ぶことはできる深さです。どのグループにも共通の要素であるこの水路が敷地全体にわたることによって、子どもたちの視野も自分のグループの敷地だけでなく、敷地全体に広がったように感じました。
私たちのBグループでは、途中までグループの敷地全体に建物をつくろうと意識するあまり、子どもたちがそれぞれのスペースに個別の作品をつくるように作業を進めてしまいました。しかし、後期の授業課題で大切なのはみんなで一つのまちをつくること。個人作業を進めるだけでは「みんなのまち」をつくることはできません。アストリッド先生からも「まずはどうしたら敷地の真ん中に迫る道に人が来たくなるかを考えよう!」とのアドバイスをいただき、敷地の奥のほうよりもまずは「みんなの道」に目を向けて考え直すことができました。また、作業を進めていく中で、グループ内の他の子のアイデアと自分のアイデアにどのような共通点があるか、どうすればつながりを持てるかを考えて、自分の作品に反映させている子もいました。
授業前半の作業を踏まえて、後半は早速模型づくりに取り掛かりました。頭の中でなんとなくイメージしていたものが実際にかたちになると、いろいろな発見が出てきます。あまり魅力的に感じられなかった空間も、かたちにしてみると意外な機能性が見つかったり…。私も子どもたちの柔軟な発想に驚かされました。
授業の終わりに、アストリッド先生からは「グループで一つのコンセプトやキーワードを見つけた上で、それぞれのアイデアを伸ばそう」とのコメントをいただきました。また、太田先生は今回のまちづくり課題をオーケストラに例えてお話をしてくださいました。オーケストラにはいろいろな楽器があり、それぞれのソロがあるように、今回のまちづくりにも個々の個性や特徴が出る部分があるが、同時に「周りの音」=「他の子の作品」と調和する要素も必要。まちづくりにおいて最も忘れてはならないことだと訴えかけました。
次回からはいよいよ3月の発表会に向けて、より本格的に模型をつくり始めます。今回の授業の模型をつくる過程で見つけた新たな発見を生かし、グループ内に留まらず、グループを超えた提案がたくさん出ることを楽しみにしています。
日本女子大学2年 西尾百合子