子ども建築塾2019年度 前期第7回「模型製作③・エスキスチェック」

2019年11月24日

2019年7月27日の子ども建築塾の様子をお伝えします。

梅雨が明けようやく夏らしい天気となりました。
夏休みが始まった子どもたちはさぞ元気かと思いきや、いつも通り。
みんなの真面目さに感心しつつ、話が飛び交うくらいの騒がしさを少し期待してしまいます。
さて、今回は3回目の模型制作とアストリッド先生のエスキスです。

前回までのブログでもお伝えしているように、前期の課題は空とぶいえ。
さらに「崖、砂漠、水、氷、都会の高層ビル」という敷地環境が与えられており、「見たことないいえ」+「あまり住むことのない場所」という難題をどのように考え、どんな建築にしていくのか、さまざまなアプローチから考えをめぐらせています。

前期の序盤では丸い不思議なかたちを思い描く塾生が多くいたものの、模型をつくりながら先生やTAと話すことで、徐々にやりたいこと・つくりたいかたち・目的などが明確になり、かたちにも個性が現れてきました。今期の授業ではスケッチを大事にしつつ進めていますが、模型も捨てがたいですね。

スケッチは建築を考える上でとても重要で、完成するまでのスピードも早いため、考える過程で必要不可欠なのですが、立体を見たり触ったりしながら気付かされることもまた同じくらい重要だと思います。自分では考えてもみなかった面白さが見つかったり、思っていたものと少し違ったり。今回の課題においては、飛んでいる様子をイメージするきっかけにもなっているようです。

子どもたちが黙々と模型を作成する中、アストリッド先生が20分ずつ各グループを回ってくださいました。

今年度の模型はスケッチの効果か、考え方のタイプがはっきりと分かれているように感じます。建物がどう見えるかのモチーフタイプ。どのような働き、動きをするかの機能タイプ。中で何をするか、見るかの空間タイプなど。

子どもたちが興味のあることや考え方が模型に表れてくるので、指導していてとても面白いのですが、こだわりがありすぎるあまり、自分の考えからなかなか抜け出せないこともあります。伊東先生が以前「答えは自分の中ではなく、外にある」とおっしゃっていましたが、外からの意見を取り入れることも重要になってきます。

それでも、自分の作品性を残しつつ、周りの人の意見をうまく取り入れるのは難しいですね。

そんな子どもたちを相手にアストリッド先生は臨機応変にエスキスを行ってくださいます。

「もっとイメージに近づけるにはどうしたらいいかな、どうしたらそう見えるかな」とかたちについてスケッチと比べつつ話されたり、「寝ころびたい場所にしてはちょっと硬そう」と模型の材料について話されたり、子どもたちが注目しているスケールに合わせて、どうしたらやりたいことがもっとシンプルに明確に伝わるかを教えていただいたことで、あれもこれも全部やらなきゃと迷っていた子もエスキスの後は順調に模型を進めていました。

模型制作も折り返しを過ぎ作品の全貌が見えてきましたが、完成度が上がるにつれて「もっとこうしたい」と思う部分も増えてくるはずです。模型制作の授業はあと2回、みんなのアイデアがいっぱい詰まった、誰も見たことのない「空とぶいえ」をつくり上げるために、また頑張っていきましょう。

子ども建築塾TA