子ども建築塾 後期第1回

2011年11月15日

先日の土曜日、子ども建築塾、後期1回目の授業がありました。
21人の子ども達が5グループにわかれ、それぞれに設定されたテーマに沿って街歩きに行きます。テーマはA.境内、B.崖・坂道、C.水・緑、D.路地・空地、E.商店街です。それぞれの班にはボランティアの中からグループリーダーと称して、グループを先導してくれる人がつきます。彼等が提案してくれたルートを子ども達と移動しながら、その途上で、「まち」というものを考えるきっかけになりそうな断片を探し出します。
私は「水・緑」がテーマであるCグループと共に街歩きに繰り出しました。グループリーダーの鈴木ますみさんが見事なルートを提案してくださり、非常に充実した街歩きとなりました。

私たちのグループは、水・緑がテーマだったこともあり、麻布十番の街をひっそりと流れる小さな水路や、公共駐車場のフェンス越しにちらりと見える「がま池」、マンションをとりまく緑地帯など、都市の中で生きる小さな自然を探しながら歩きました。
街を歩きながら、子ども達に、このあたりに家をたてるなら、どんなものをたてるか聞いてみると、スラスラといろんなアイデアが飛び出します。彼等ながらに今回の街歩きの意義をちゃんと理解しているようで、その地に相応しいと思われる建築形体を、自分の欲望がむき出しではあるものの、しっかりと考察できていました。
驚かされたのは、街を歩きながら出会う様々なものに、それに適合するような建築をあてはめていたことです。
例えば、並木道を歩いているとき、ふとそれを見上げながら、この一本一本の街路樹にツリーハウスをもうけ、それらを連結させてみたいと言っている子がいました。他にはがま池の上に浮かぶような建築を提案していたり、狭い路地を通ったときは、その道を全て覆うような細長い建築を提案していたり。その細長い建築はちゃんとプランの考察までされており、トイレはどこからでもアクセスしやすいように真ん中に。ベッドと玄関は両端に配し、毎朝ジョギングがてらにベッドから玄関まで新聞をとりにいく。
街を歩きながら、その途上に新たな建築を作り上げていく。私たちが歩いたルート上には、既に幾つかの新しい建築が、子ども達のイメージの中で出来上がっています。

この豊富なアイデアを一つの敷地内で限定して展観していくとき、どんなものが新たに生まれていくのでしょうか。