HIROSAKI DESIGN WEEK「こども・まちづくり塾」第2回目

2016年11月25日

みなさま、こんにちは。
10月2日に行われた、第2回目の「こども・まちづくり塾」の様子をお伝えします。今回から新たな参加者として弘前工業高校の高校生、TAとして弘前大学の学生という心強い仲間が加わりました。10時からのスタートでしたが、30分前から会場に着いて、張り切ってまちづくり塾に参加してくれた中学生もいました。

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前回、「グループで話し合ったことをもとに、各グループの敷地をどのような場所にしたいか、スケッチを描いてこよう」という宿題が出ましたが、平面図のようにいろいろな空間を配置してきてくれた子や、きちんとしたパースで、上手に絵を描いてきてくれた子、学校の友達や地域の人総勢60名に「弘前にどんな場所がほしいか」というアンケートをとってきてくれた子など、各々がしっかりと弘前の未来のまちの姿について考えてきてくれました。

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午前中は、グループごとに自分が考えてきたことを発表しながら、前回のおさらいをし、今回から新たに加わった高校生の意見も取り入れて、じっくり話し合いをしました。私の担当したD班では、中学生も高校生も口を揃えて「勉強スペースがほしい」と話していたことが印象的でした。1、2回目の会場である「まちなか情報センター」には、前回も今回も多くの地元の中学生や高校生が勉強しに訪れていて、その様子からも、弘前の子どもたちが切実に勉強スペースを求めていることが伝わってきました。

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どのような場所をつくるか、そのかたちや姿について考えることは少し難しく、悩んでいたように思えます。しかし、伊東豊雄建築設計事務所から参考にお借りした建築模型を見ると、しっかりと囲われた建物でなくても、例えば木が植えられているだけでも、そこの下には木陰が生まれ、もし木がいくつかあると、木で囲われたような空間が生まれるなどといった発見をし、そこから学んだ空間の分け方、つくり方を実際に自分たちの提案に盛り込むことができました。

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昼食をはさんで、中学生と高校生が打ち解けはじめた後、午後からは本格的に模型制作がスタートしました。模型制作ができるのが2日間という限られた時間の中で、全員が集中して取り組み、約3時間半で行ったとは思えないほど作業が進み、私もかつて経験したことのないスピードでかたちに表していくことができました。模型をつくったことのある高校生たちはとても頼りになり、カッターの使い方などを中学生に教えながら、中学生と高校生が力を合わせて模型をつくりあげていきました。
時間が限られているからこそ、すぐに手を動かし、自分の考えをかたちにしていき、そこでまた新たにやりたいことや面白い部分を見つけ出し…と、模型制作と提案が追いかけっこしながら、どんどん先に進めたように思えます。

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人の添景を使うことで、自分が実際にその場所にいることを想定し、頭の中でシミュレーションしながら、今どのような空間になっているのか、どのような空間にしたいのかを考えることができました。また、近所の病院に入院している車いすを使用している人だったら、保育園に通う子どもだったら、その親だったら…と様々な人の立場に立って、使う人になりきりながら、考えていました。

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後半に行われた全体ディスカッションで、4つの班の模型を組み合わせたときは、模型に表れた他のグループの提案を知り、新しいまちの途中経過を見ることができました。また、それぞれが接している部分を上手くつなげたいという次回に向けての課題も見つかりました。

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この日は参加者・TAが2倍に増えましたが、模型制作を通して、協力しながら作業をすることで、グループごとにだんだん一体感が生まれてきたように思えます。3回目までは一週間空きますが、次回も引き続き、力を合わせて作業を進め、他のグループと接している部分に関しては、そのグループの子とも話し合い、最終的に4つのグループがつながり、一体感のある新しい弘前のまちができることを期待しています。

日本女子大学住居学科3年 下田彩加