LIXILメムメドウズプロジェクト2017「パンと大樹町の食を楽しむワークショップ」(1日目)

2017年11月16日

昨年に引き続き、11月2日・3日に北海道大樹町にある実験住宅施設・メムメドウズにて「パンと大樹町の食を楽しむワークショップ」を開催しました。2度目の開催となった今回は、メムメドウズの中にある、伊東豊雄建築設計事務所が改修設計を行った「スタジオメム」を活用しようという主旨でワークショップが企画されました。

北海道と言えば、乳製品や魚介、豚など、豊富な食材が揃っていますが、今年は昨年度好評だった自然発酵のパンを中心に、地元の食材を活用しながらパンに合う料理やデザートをつくりました。講師は、昨年と同じく料理家のヒラタ・マリさんをお迎えし、地元の食材を活用したメニューを教えていただきました。

当日は12名の参加者が「スタジオメム」に集まり、マリさんがつくる料理を簡単に紹介したあと、焼くのに時間がかかるパンからデモンストレーションしていただきました。そのあとは、里芋のパンや、豚のリエット、クリームチーズのディップ、ブイヤベース、パンに塗る牛乳ジャム、デザートのプリンを、みんなで手を動かしながら、順次つくっていきました。

筆者がお手伝いした里芋のパンは、里芋を煮てからピューレ状にし、ミキサーで牛乳、卵、水あめを混ぜて、最後に小麦粉を入れて生地をつくります。里芋のおかげで、出来上がったパンはふわふわしていて感動しました。

豚のリエットも、バラ肉とスペアリブを炒めてから1時間以上煮詰めました。ミキサーでお肉を細かく切ると、繊維も全てなくなってしまうので、手でほぐしたほうが柔らかい食感を保つことができると、マリさんに教えていただきました。少し手間はかかりますが、ペースト状になったお肉の旨味が十分に発揮されてパンにぴったりの一品になりました。

パンと料理づくりが一段落ついたら、大樹町長をはじめ、さらに大樹町から参加者が加わり、伊東豊雄による「これからの住まい方」のショートレクチャーを行いました。レクチャーでは、LIXILと組んで出展した「HOUSE VISION」で展示された「住の先へ」という作品や、東日本大震災の後に東北で始めた「みんなの家」のプロジェクトや、伊東建築塾のメインの活動である瀬戸内海の大三島で取り組んでいる島づくりのプロジェクトについてお話ししました。これからの住まい方は、住民やコミュニティの力を合わせていくことが大切だと述べてレクチャーを締めくくりました。今回のワークショップの会場となる「スタジオメム」も、かつて牧草保管用の倉庫だった建物が改修されたのですが、倉庫の雰囲気を残しながら、暖かい暖炉を囲み、人びとが集う場所として新たに生まれ変わりました。

ショートレクチャーが終わった後、夜は交流会を行いました。ワークショップでつくった料理を十勝のワインとともに、みんなで楽しみました。


ブラジルのクリームチーズや豚のリエット、自然発酵のパンをはじめ、里芋のパンや野菜に合うディップを何種類かつくりました。


海鮮をたっぷり使用したブイヤベース

今回のように、地元の食材と異国の料理を組み合わせると、普段馴染みのある食材に少し手を加えることでさまざまなバリエーションが広がり、いろいろな発見があったのではないかと思います。

マリさん、今年もおいしい料理をご馳走さまでした!

伊東建築塾 ジョイス・ラム