子ども建築塾2018年度 大三島合宿 1日目

2019年02月14日

皆さま、こんにちは。

2018年9月8、9日に子ども建築塾の大三島合宿を行いました。
このブログでは1日目の様子をお伝えします。

©Ayumi Yoshino

参加者はお昼に広島県の福山駅に集合し、バスで大三島に向かいました。あいにくの雨でしたが、子どもたちはウキウキした様子で安心しました。しまなみ海道を渡って瀬戸内海の島々を越えていき、大三島が見えたときには歓声があがりました。

大三島に到着し、まずは今治市伊東豊雄建築ミュージアムを見学しました。

ここには、2つの建物があります。
1つは、伊東先生が以前住んでいた東京の住居を再現したシルバーハット。「あの伊東先生のおうち!」と子どもたちもワクワク。「ここがキッチンで、ここが先生の娘さんのお部屋で…」と、当時の様子を想像しながら見ていました。

もう1つは、幾何学的なかたちが特徴のスティールハット。「三角形が組み合わさって強い構造になっている」と説明を聞いて中に入ってみると、どこも多面体だらけで、まっすぐな壁がどこにもありません。「天井も三角形になってるよ!」「なんか不思議な感じ〜」と、伊東先生の作品でたくさんの発見をしながら、ミュージアムで展示されている『大三島の人々の活動』について興味深く見ていました。

続いて、今治市岩田健母と子のミュージアムを見学しました。

屋外でコンサートなども開催されると聞き、「この景色の良いところで音楽を聴けたら気持ちよさそうだね」と話していました。
この建物は、円形の半屋外空間となっているで、思わず走り回りたくなってしまいますが、もう一つ特徴的なのが、音が響くことです。子どもたちは、3人で一斉にジャンプしたり、手をたたいて建物による音の反射を面白がっていました。

その後、同じ敷地内にあり、本日宿泊する大三島憩の家に移動しました。
大三島憩の家は、木造の小学校を改修した宿泊施設で、伊東建築塾大三島ライフスタイル研究所のメンバーや子ども建築塾のTAも改修に携わりました。
スタッフより改修の様子や設計の説明を簡単にしてもらった後は、自由時間となりました。

子どもたちはすぐ横の海に行ったり、大三島憩の家内を見て回ったりと、雨の天候や長時間移動の疲れなど全く見せない様子です。

あっという間にワークショップの時間となりました。

今回は『あかりでまちなみをつくろう!』と題したワークショップで、みんなでオリジナルの行灯をつくり、並べてまちなみをつくります。
始めにワークショップの講師、面出薫先生と東悟子先生にレクチャーしていただきました。
「光や照明っていろいろなものがあるよね」「好きな光、嫌いな光はどんなもの?」「まちを歩きながら、光に注目してみてね!」
普段の子ども建築塾では建物の空間について考えることはありますが、照明について深く考える機会は少なく、建築やまちづくりを考える上でも、改めて考え直すきっかけになりました。

©Ayumi Yoshino

©Ayumi Yoshino

レクチャーの後は、早速オリジナル行灯づくりに取りかかりました!
5種類の中から好きな型を選び、はさみやカッターでくり抜いて、セロファンや色紙でデザインしていきます。

子どもたちに大人気だったのは、伊東先生が設計した難易度の高い、TOD’S表参道ビルやMIKIMOTO Ginza2。やっぱりみんな伊東先生の作品のようなかっこいい建物に憧れているのだなあ…
「ここは青がいい!」「透明の方が光が綺麗に見えるかな?」でき上がりを想像しつつ、先生方にポイントを教えていただきながら工夫してつくっていきました。

©Ayumi Yoshino

©Ayumi Yoshino

©Ayumi Yoshino

©Ayumi Yoshino

みんな一生懸命つくっていると時間はあっという間に過ぎ、夕食の時間になりました。おいしいカレーと、大三島特産の柑橘ジュースをいただいた後、いよいよ、行灯に火を灯します!

各自の行灯のろうそくに火をつけ、電気を消すと…
「わあ、綺麗!」
みんな思わず声を上げていました。

©Ayumi Yoshino

そして、一人一人の行灯を、廊下に並べてみます。
「みんなの建物で、まちをつくろう!」「この辺りに低い建物を集めてみようか?」「こっちはもっとカラフルなものが欲しいな!」「置き方によって全然印象が違うね!」
まさに、一つ一つの建物がまちをつくり上げている、ということを体験した瞬間でした。

子ども建築塾後期の課題はまちづくりなので、この経験を是非生かしてほしいと思います。
自分たちのつくった、綺麗な「光」のまちを見て満面の笑顔の子どもたち。
大三島合宿、明日2日目も、東京にはない大三島の自然を満喫します!

広島大学3年 千葉由莉杏