大三島 建築スクール 1日目

2020年04月20日

みなさん、こんにちは。
2019年8月5日,6日に行われた大三島建築スクールの1日目の様子をお伝えします。
今回は『空き家をつかって大山祇神社参道をにぎやかにしよう!』というテーマで、OPEN Aの馬場正尊さんを講師としてお招きし、大三島を舞台に建築スクールを行いました。
中高生講座では、今治北高等学校大三島分校、新居浜南高等学校の高校生と子ども建築塾のOBが共に、大山祇神社の参道にある民家のリノベーションを考えました。小学生講座では、参道に置く『子ども屋台』を考えました。

まず、オリエンテーションレクチャーで馬場さんから課題の出題がありました。
課題の中で重要なことは、自分が主体でありどうしたら当事者になれるのか、自分たちが楽しい、やってみたい、関わりたいと思えるかというお話や、人の良い意見にはたくさん乗っかっていくこと、地元とよそ者でお互いの良さを生かし合うことなどのお話がありました。

次に、大三島分校の高校生による参道ガイドを受けました。
この参道ガイドは実際に観光客に向けて大三島分校の生徒が行っているものであり、大三島弁クイズなども交えながら、楽しく参道を歩きました。

その後は、みんなの家で馬場さんのレクチャーを受けました。
リノベーションとは古い建物の良さを残して役割を変えることで、リノベーションを行うことによって建物が生まれ変わり、まちの記憶を引き継いだり、汚すことを気にせずに子どもが自由に遊べたりと様々な利点が生まれていきます。
馬場さんの今までのお仕事の、壁を全て白く塗りイメージを変えたものや、床をはりガラスのキューブを置いたもの、東北芸術工科大学の近くで学生と数々のリノベーションを行った作品や、東京R不動産の活動を、写真と共に紹介していただきました。

レクチャーの後は、参道に戻り、チームに分かれてフィールドワークを行いました。
今回対象となる空き家は、元塩屋さんの篠原邸、80年前に農学者の菅菊太郎氏が住みその後侍屋形(さむらいやかた)として使用されていた空き家、元銀行でその後スナック純として使われていた空き家の3つです。

私の担当した侍屋形は、1階と2階の空間構成が異なり、1階は土間と板の間が半々で分かれており、中央にある通路を通ると、緑の生い茂った中庭に抜けます。

2階は畳の敷かれた壁のない広い空間があり、今では珍しい柄つきのガラスやたんすなどの家具が残っていました。

午後は参道の敷地調査をまとめ、ディスカッションやアイデア出しを行いました。
ポストイットに参道調査で感じたことを書き、大きな図面に貼っていきました。
例えば、板の間の床の高さが座るためにちょうど良く、そこから参道や雰囲気のいい中庭を眺めたりしやすいという発見や、残っている家具を使いたいなどの意見がありました。

また、大三島にどんな場所が必要か、当事者としてどのような場所にいたいのかを考えました。そして、1階の板の間にはカフェ、土間は島の廃材を使ったアートギャラリー、2階はお菓子を食べて話しながら勉強できたり、音楽を練習したりできる自由な場所と決まりました。

1日目の最後には、グループ発表を行いました。
子ども屋台をつくっている小学生チームは、大三島の魅力や大三島にあるものから売り物を考え、屋台のスケッチを発表しました。

篠原邸担当の1班は、空き家をレンタルスペースとし、その利用内容を発表しました。レンタルスペースとして使われていないときは観光案内所となります。目的の決まっていない緩やかなシステムにどう名前をつけるのかが今後の課題です。

侍屋形担当の2班は、カフェ・ギャラリーと何にでもなる空間をつくり、OPENとCLOSEをどう分けるかが課題です。

スナック純担当の3班は、食堂とサイクリストが集まるカフェを提案し、食堂の素朴さとスナックとのギャップがどうなるのかが課題です。

2日間という短い期間の中、どこまで完成させられるのでしょうか。
2日目は、模型・プレゼンボード制作と発表会を行います。

首都大学東京 飯田杏珠