子ども建築塾2023年度 前期 第7回「小さくなった僕から見える景色」
前回より本格的に模型制作がはじまりましたが、時間は早いもので、模型制作に取りかかれるのは今回と次回のあと2回となりました。慣れない模型制作で、頭の中にあるイメージを カタチにしていくのに苦労している子も多く、時間も限られていることで、教室内は少し緊張感のある雰囲気になってきました。
リミットが迫ってきている中で、自分のつくりたい空間に対してじっくり考えられるのは今回がラストチャンスです。どんどん手を動かしつつ、時には手を止めて、先生方よりアドバイスをいただきながらじっくり考えて進めていきました。迷いもありながらも、ギリギリまで課題に対しての考えを深めていきました。
また、模型制作をする際は、1/30 スケールの点景をどんどん活用し、自分たちのつくる空間に入り込むようなイメージで、視線をあわせて作業を進めていきました。
途中までつくった周辺模型の高さ・ 幅厚みをスケール定規をあてて測ってみると、寸法が大きくズレていしまっていて、そのズレがあることで、空間のイメージが大きく異なってしま うことを学んでいました。
橋をつくるには、どの材料を使えばいいか、高さや厚みはどのくら いか、もう一度確認しながら、模型での表現力を身につけていきました。
これまでの授業の中で、課題に対して考えたり、コンセプトを決めたりする際には、自分の好きなモノコトや、建築に直接関係していなくても、ちょっとしたひらめきや自由な発想など、「枠にとらわれない大胆さ」を持って建築と向き合ってきました。
一方で、模型を制作し、空間をカタチにして表現していく際には、スケールはどのくらいか、 アクセスはどうするのか、素材は何を使うのか、その場には何を置くのか、誰が使用するの か、など、細かいことを決めたり、イメージの解像度をあげて、繊細に表現していく考え方を持って建築と向き合っていました。
塾生たちは、改めて建築の難しさに直面すると同時に、その面白さにも触れていました。 今回の授業でも、たくさんの学びを得ながら、実りのある時間となったと思います。
次回は、模型制作が出来る最後の授業です。 夏休み期間を使って、自分の心躍る場所へどんどん遊びに出かけて、色んな経験をし、改めて「東京遊牧少年少女のいえ」について考えてみましょう。
高橋萌香