子ども建築塾2024年度 前期第1回「楽しい屋上暮らし」課題レクチャー
4月20日(土)に行われた、前期第1回授業の様子をお伝えします。
「こんにちはー!」
心地よい春風とともに、続々と恵比寿スタジオに集まる子どもたち。
はじめての参加で緊張気味な子もいれば、慣れた様子で席に着く子もいたり。
2024年度子ども建築塾がスタートします!
はじめに塾長の伊東先生から、子どもたちへ激励の言葉がありました。
「ここで学ぶことは普段の学校とは違って、『まずは楽しまなくっちゃ』ということなんだ。どんなに下手でもいい。自分の気持ちを大切にしてほしい。」
今回の課題のテーマは、「楽しい屋上暮らし」。
子どもたちは自己紹介とともに、テーマについて思い浮かぶことを一人ずつ発表していきました。「ピンクや青に染まる朝焼けを眺めたい」、「まちを見下ろして、小さく見える車や人を観察したい」、「みんなでBBQをしたい」などの様々な意見が出てきました!
次にアストリッド先生から課題のレクチャーがありました。
先生が子どもたちに「屋上にあがったことがある人?」と聞くと、手を挙げた子はまさかの半数以下。
スタジオにいるほとんどの子どもたちは、屋上にあがった経験がありません。
それもそのはず、日本のマンションやビルの屋上には、設備などが置かれていることが多く、自由に出入りできるところは少ないです。
また、普段生活をする場所は壁で仕切られた四角い部屋がほとんどで、内から見る外の風景は窓で四角く切り取られています。天気を体感しにくい環境といえるでしょう。
それに比べて海外では、多様な屋上の使われ方がなされています。
ガーデニングやインフィニティプール、釣り堀にしているところもあれば、植栽に囲まれたリビングルームのように使っている事例もあります!
もし屋上で暮らすとしたらどのような生活が待っているでしょうか?
視界を遮る建物は少なく開放的で、360度見渡せます。そして天井は広い空!雨、風、太陽など、天気をダイレクトに肌で感じることができます。
太田先生からは、トルコの都市、イスタンブールの事例紹介がありました。
「イスタンブールでは、屋上をカフェやレストランとして使っているところがたくさんあります。そこでは隣の屋上にいる人同士がつながり、立ち話が始まることもある。周囲の建物を巻き込んだ提案もできると面白いですね。屋上だからこそできることを考えてみましょう!」とのアドバイスを頂きました。
様々な事例を知り、子どもたちの想像はどんどん膨らんでいきます!
それぞれのテーブルでグループワーク。
頭の中に思い浮かぶイメージを紙に描きだして、模造紙に貼っていきます。
なかなかペンが進まないときは、先生やTAと相談しながら描き進めていきます!
アイデアがたくさん集まった頃、グループごとに発表してもらいました!
「畑をつくって、自給自足の生活をする」、「一輪車が好きだから、周りにぐるぐる回る道をつくる」、「プールの中にテーブルを浮かばせて、そこでご飯を食べる」など、面白い意見がたくさん出てきました。
しかし!今回忘れてはいけないのが、そこで「暮らす」ということです。「暮らし」をするためには、もっと深く想像していく必要があります。
先生方からのアドバイスです。
・地上にあるものを屋上に持っていっただけのことになっていないだろうか?
・地上ではなく、屋上だからできることってなんだろう?
・今はまだ、アクティビティとしての案が多い。「冬の寒いとき、雨の降るとき、どういう建物や空間で過ごすか」というところまで想像してほしい
などのご指摘がありました。
そして次回までに、
➀食事、睡眠、入浴、家事など、「もしこれが屋上だったら?」と想像してみよう!
②雨、風、太陽に対して、自分の体がどう感じるかを考えてみよう!
③可能な範囲で屋上に行ってみよう!
④空から見た立体的な映像を見せてもらおう!
などの取り組みのヒントも頂きました。
次回はまちに出て、気になる場所や景色を見出していきます!
実際に風や太陽を体感しながら、屋上暮らしのイメージを具体化していきましょう!
島根大学 4年 三谷咲樹