塾生限定講座 「エスキース、大樹町合宿ガイダンス」

2016年02月14日

北海道・大樹町への合宿を控えた7月25日、エスキースと大樹町合宿のガイダンスを行いました。農業をベースにした理想の住まい方を提案するチーム、週末や休暇住宅のシェアハウスのモデルを考えるチーム、「大三島みんなの家」を中心にした大山祇神社参道活性化のための提案を考えるチームに分かれて、それぞれ事前に提出したレポートに基づいて発表をしました。
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農業チームは、ラントゥレーベン(都市住民を対象とした大三島にある滞在型農園施設)を活用し、地域おこし協力隊など別の仕組みで来た人を対象として、より就農に適したプログラムをつくる案や、東京に住む一家が移住することを想定した場合に理想的な家の案、また繁忙期のスタッフとして、農業や島の暮らしに興味のある若者を集める施設として農家民宿を開き、空き家の活用や農家の自活を目指す案などがありました。
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シェアハウスチームでは、古い農家をリニューアルしてもプライバシーの守れる個室がつくれない懸念があり、特に若者といった現代人は抵抗があるのではないかと考えました。そのため、空き家を活用したオープンタイプのシェアハウスと個室がある都会型で新築のシェアハウスと両方必要だという意見がありました。

また、シェアハウスの種類は、基本的に自前で行う「セルフビルド+シェアハウス」と企業などに出資や運営を任せる「事業者介在型」と二つのカテゴリーに分けることができます。その中で、「セルフビルド+シェアハウス」を運営するための具体的な支出をケーススタディした案、瀬戸・盛・宗方にそれぞれ特性の違うシェアハウスを作る案、就農体験者を中長期、サイクリストを短期のターゲットとしたシェアハウス案、離れた場所を拠点にしている人が中心で交流できるスペースのある案、庭があり大家族が住むような家という都会では手に入れにくいシェアハウス案など、提案が多岐に渡りました。

共通の問題点は、管理人を誰に、どこまでやってもらうかという点と、プライベート空間の必要性などが挙げられます。日常の生活ではできないことを求めて来る人も滞在期間や目的によってプライベート空間の質やあり方が変わってくるので、その二点が今後の課題になってきそうです。
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参道チームは、「みんなの家」以外に参道沿いに拠点を二ヶ所つくり、「大三島みんなの家」を拠点として参道を活性化させる案、空き店舗を展示スペースやサイクリストの休憩場にする案、参道にベンチを置き、参道でゆっくりしてもらう案などが挙がりました。

参道の空き店舗をどう活用するかという課題はありますが、様々な具体的なアイデアが出ました。例えば、大山祇神社に近い参道に店舗を構え、地元産みかんのジュースやアイスキャンディを置き、神社に訪れた人が参道に入るきっかけをつくることや、参道の港に近い店舗は島の歴史や美しい風景の写真を展示したギャラリーをつくることなどが考えられます。

また、集客のためのアイデアとして、分校生に参道ガイドツアーやワークショップを一緒にしてもらうこともできるではないかという話がありました。店舗に試飲試食できる場所を設けることや、フリーペーパーを配るなどの案もありました。

各チームが具体的な案を考えたことで、それぞれの問題点や課題がはっきりしてきたように感じました。各々考えた案の中でも共通した魅力的な点や問題点がありましたが、大樹町をモデルケースにし、次回の合宿を通してより多くの気づきができるではないかと思いました。

田邊智哉子