塾生講座 レビュー⑥

2016年12月26日

11月20日、塾生講座第6回目のレビューが行われました。今回は今までの発表形式ではなく、全体でディスカッションを行いました。各チーム同士の情報共有や、伊東建築塾の大三島での活動、各チームの活動の目的を改めて議論し合うこととなりました。

レビューの最初にTokyo Design Weekの報告がありました。伊東建築塾のブースは大変好評だったようで、ブランディングチームを中心に取り組んでいた「建築みくじ」が700枚も売れたそうです。その他にも大三島から届いたみかんやジュースなどの加工品をたくさんお買い求めいただきました。

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Tokyo Design Week 2016 伊東建築塾のブース

ガイドブックチーム
既存の《大三島ナビゲーター》を超えるガイドブックをつくるのは時間的に難しいため、新しい切り口で1つのテーマを深く掘り下げたフリーペーパーをつくることを検討しています。二ヶ月に一度のペースで発行し、それらをまとめると今までにないガイドブックができる、という仕組みです。また「島でこういうことをする」という理想や目標を既に実現されたものとして紙面で発表していき、島の人びとに島の未来像について考えてもらうきっかけをつくっていくことになりました。

ブランディングチーム
チーム内でさらに3つのグループに分かれ、活動してきました。提案を島の方に投げかけてきたものの、少し温度差を感じているようです。島の方の協力を得るにはどうすればいいか、島のキャパシティに合ったものを提案すべきか、あるいは都市部や海外に認められるものをつくれば、それが活動に興味を持ってもらえるきっかけになるのでは…といったことを中心に、さまざまな事柄について議論されました。他のチームとの連携については、具体的なプログラムがあると協力しやすいとの意見がありました。

ワイナリー休憩小屋・醸造所+オーベルジュチーム
11月12、13日にぶどう畑の周囲に基本となる柵を立ててきました。道沿いには目隠しにもなり、所有感も出せるプレートを付けようと考えています。板を貼り渡した方が強度もあり、見た目もきれいなのではとのアドバイスもありました。また、計画を立ててからものをつくるよりも、現地で手に入る古材や廃材などを使って工夫しながらつくるほうが大三島らしく面白いものができるのでは、と感じています。

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イノシシ対策のための柵の設置作業

Farm HUBチーム
これまでさまざまなイベントを開催してきましたが、農業の就労支援や耕作放棄地の対策など、本来Farm HUBが目的としていた活動に軌道修正をしていこうという意見が出ています。今後は今まで行ってきたイベントで何が得られたのか成果をまとめ、農業に根ざした活動をしていくための計画を立てていく予定です。

おおみしまーけっとチーム
前回から引き続き、イノシシレモン鍋の販売を計画中です。今後、イノシシ肉の準備のための作業や情報媒体のデザインについても考えることが必要です。また、講師の遠山正道さんのご協力により、イノシシレモン鍋の試食会も行うことになりました。1月に販売を開始することを目標に進めていきます。

大三島公民館+図書館チーム
図書館の司書の方にお会いし、チームの提案について改めてお話をしました。司書さんは図書館のことをもっと島の人びとに知ってもらい、利用してほしいという想いを強く持っているそうです。まずは公民館のエントランスで子ども向けのワークショップを行い、そこから島の方に図書館のことも知ってもらうきっかけをつくっていく提案がありました。家具ワークショップや公民館の椅子の布地の張り替え、農業スクールで利用するなど意見もありました。

屋台チーム
「参道マーケット」に向けて制作した屋台は、大三島みんなの家の前庭に置き、野菜の無人販売や物々交換をするのに利用していくことを検討しています。参道の活性化のために屋台の量産をしたいものの、どのような方法を取るべきかを考えています。今回は参道の活性化について主に議論され、参道の空き地を花や緑で彩り、活気を出そうということになりました。今後屋台チームは屋台から一旦離れ、参道の緑化について考えていきます。

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大三島みんなの家の前庭に設置されている屋台

鈴木邸改修チーム
床と壁の構造補強を全て終え、次は屋根に取りかかります。稲垣建材さんに図面を渡して見積をお願いし、オーナーさんにも説明するために連絡を取っているところです。地域の方も注目している建物なので、改修を終えたら何に使うかも考えていきたいと思っています。

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構造補強後の内観

今回のディスカッションでは、他のチームがこれまでの活動を通して感じたことや、議論の内容で参考になることが多々ありました。レビューも残り少なくなってきましたが、またこのようなディスカッションの機会があればと思います。

また、来年の活動については「大三島をこういうふうにしたい」というビジョンをあらかじめ示し、その実現に向けて具体的に取り組んでいければ、とのお話でレビューが締めくくられました。

塾生 田中裕美子